遺言の執行者は誰になる?

遺言には遺言に書かれた内容について、その実現のための行為を要しないものと、その実現のために何らかの行為を要するものがあります。
たとえば、実現のための行為を要しないものとして相続分の指定が遺言書に書かれていた場合、遺言者が死亡したと同時に遺言書に書かれていた通りの相続分が相続人に相続されます。
そして実現のために何らかの行為を要するものとして、認知や遺贈などがあります。この場合は、認知の届出をしたり、遺贈を受ける人にものを渡さなければなりません。
このように、遺言の内容を実現する行為を「遺言の執行」といいます。

では、この遺言の執行は誰がすることになるのでしょうか?
本来は遺言をした人が執行をしなければならないのですが、遺言が効力を生じているということは遺言者は既に死亡してしまっていますので、遺言者は当然自分で執行をすることが出来ません。
そうすると遺言者がしなければならなかった執行も相続されることになり、相続人が執行することになります。
ということで、特に遺言書に定めがない限り「相続人が遺言執行者」となります。

しかし、遺言の内容によっては相続人の公正な執行が期待できない場合は、あらかじめ相続人以外の第三者を遺言執行者として指定しておくことができます。
また、遺言内容からして、遺言執行者を定めないと執行されない危険が高いものについては、遺言執行者の定めが必須となっているものもあります。

では、次に遺言書で第三者が指定されていた場合、その第三者は必ず遺言執行者にならなければならないのかという疑問が出てくるかと思います。
これは、遺言で指定されていたからといって遺言執行者になる義務は無く、遺言執行者になるかならないかはその人の自由です。
もし、遺言執行者を拒否した場合は、その遺言についての執行者はいなかったものとなり、相続人が執行するか、家庭裁判所に遺言執行者の選任を請求することになります。

ただ、遺言執行者がやるべき仕事は細かく決められている為、遺言書で遺言執行者を定める場合は、事前に専門家と相談して専門家を遺言執行者に選ぶことをおすすめします。

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