保証人に請求が来たらどうする?連帯保証人の対処法を司法書士が解説
家族や知人の借金について、
ある日突然、「あなたが保証人なので支払ってください」という請求が来ることがあります。
特に連帯保証人になっている場合、
「本人にまず請求してほしい」
「本人の財産から先に回収してほしい」
と考える方も多いですが、必ずしもそのようにはなりません。
結論からいうと、連帯保証人に請求が来たら、まず契約内容と請求内容を確認し、放置せず早めに対応することが大切です。
法テラスは、連帯保証人について、主たる債務者が返済しないときは、直ちに全ての債務について返済する責任を負うと案内しています。
一方で、請求が来たからといって、何も考えずすぐ全額を払うしかないとは限りません。
契約の内容、保証人なのか連帯保証人なのか、分割交渉の余地があるか、債務整理を考えるべきかなど、確認すべき点があります。金銭トラブルに関する法テラスの案内でも、保証人や署名・押印の有効性など、個別事情で結論が変わる相談が多いことが分かります。
この記事では、保証人に請求が来たときに何を確認すべきか、連帯保証人の責任、放置するとどうなるか、そして今から取れる対処法を、司法書士がわかりやすく解説します。
結論|保証人に請求が来たら、まず「連帯保証人かどうか」と「請求内容」を確認します
保証人に請求が来たとき、最初に大切なのは「自分が単なる保証人なのか、連帯保証人なのかを確認すること」です。
特に連帯保証人は責任が重く、主たる債務者(もともと借り入れをした本人)が返済しない時には直ちに全ての債務について返済する責任を負うとされています。
つまり、本人に先に請求してもらえるとは限らず、保証人側に直接強い請求が来ることがあります。
また、請求が来たら、次の点を確認することが大切です。
・誰からの請求か
・いくら請求されているか
・自分が署名押印した契約か
・保証人なのか連帯保証人なのか
・すでに裁判所の書類が来ていないか
この確認をせずに放置すると、後で差押えなどの強制執行につながる可能性があります。
法テラスの金銭トラブル相談でも、無断で署名された場合など、そもそも責任が生じるかを確認すべきケースがあることが示されています。
関連記事:「個人再生をすると保証人に請求がいく?迷惑を最小限にする3つの対策を司法書士が解説」

この記事でわかること
この記事を読むと、次のことがわかります。
保証人と連帯保証人の違い
同じ「保証人」でも、連帯保証人の方が責任が重いです。
連帯保証人は直ちに全ての債務について返済責任を負うとされています。
請求が来たときの確認ポイント
請求元、契約内容、金額、裁判所の書類の有無など、
最初に何を確認すべきかが整理できます。
放置するとどうなるか
支払わずに放置すると、裁判、判決、差押えなどに進む可能性があります。
自分が直接借りたわけじゃなくて単なる保証人だからといって、請求を無視して良いわけではありません。
これは保証債務が法的な支払義務になり得るためです。
今からできる対処法
分割交渉、主債務者との相談、必要に応じた債務整理の検討など、今から取れる対応がわかります。
法テラスでも、借金問題について弁護士・司法書士への相談が重要であることが繰り返し案内されています。
保証人と連帯保証人の違い
連帯保証人は責任が重いです
連帯保証人は、通常の保証人より責任が重い立場です。
法テラスは連帯保証人について、主たる債務者が返済しないときは、直ちに全ての債務について返済する責任を負うと案内しています。
そのため、債権者は主債務者ではなく、連帯保証人に対して先に請求することもあり得ます。
つまり、「本人にまず請求してからでないと自分には来ない」と思っていると、現実とずれることがあります。
ただの保証人か、連帯保証人かで対応は変わります
契約書に「保証人」と書かれているのか、「連帯保証人」と書かれているのかは重要です。
連帯保証人なら、請求への対応をより急ぐ必要があります。
一方で、契約内容そのものに争いがある場合や、署名押印に問題がある場合は、そもそも責任が生じるのか確認が必要です。法テラスの金銭トラブルQ&Aでも、無断で署名された保証人欄について責任の有無が争点になることが示されています。
保証人に請求が来たらまず確認したいこと
本当に自分が保証人になっているか
最初に確認すべきなのは、本当に自分がその契約の保証人になっているかです。
まれに、無断で名前を書かれていたり、印鑑を勝手に使われていたりするトラブルもあります。
法テラスの相談例でも、無断の署名・押印や、預けていた印鑑や身分証の無断使用に関する相談が掲載されています。
そのため、請求が来たら、まず契約書や保証契約の内容を確認することが重要です。
連帯保証人かどうか
次に確認したいのが、自分が連帯保証人かどうかです。
連帯保証人なら、主債務者の返済状況にかかわらず、請求が一気に現実化しやすいです。
法テラスの説明でも、主債務者が払わないときに直ちに全額の責任を負うとされています。
請求額と遅延損害金
請求額がいくらなのか、元本だけなのか、利息や遅延損害金を含んでいるのかも確認が必要です。
長く放置された借金では、想像以上に金額が膨らんでいることがあります。
そのため、請求書の金額を見てすぐに諦めるのではなく、内訳を確認することが大切です。
裁判所の書類が来ていないか
請求がただの通知なのか、すでに裁判や支払督促に進んでいるのかでも対応は大きく変わります。
もし裁判所から封筒が届いているなら、かなり切迫した段階です。
保証人であっても、裁判所の書類は放置してはいけません。
裁判所手続に進めば、最終的に強制執行の可能性が出てくるからです。
関連記事:「裁判所から支払督促が届いたらどうする?無視のリスクと今すぐ取るべき対応を司法書士が解説」

関連記事:「裁判所から訴状が届いたらどうする?支払督促との違いと今すぐ取るべき対応を司法書士が解説」

放置するとどうなるか
裁判に進む可能性があります
保証人に請求が来ても何もしないと、債権者は裁判所の手続に進むことがあります。
主債務者だけでなく、保証人や連帯保証人も請求の相手方になり得ます。
実際、裁判例や和解条項の例でも、債務者と連帯保証人が並んで請求・執行の対象になる構造が見られます。
判決や支払督促のあとに差押えが問題になります
裁判や支払督促で債権者側が進めば、その後は差押えの問題になります。
保証人だからといって、差押えの対象外になるわけではありません。
給料、預金、場合によってはその他の財産が対象になる可能性があります。
これは保証債務も金銭債務であり、執行対象になり得るためです。
家族や会社に知られるきっかけになることもあります
給与差押えまで進めば、勤務先が手続に関わるため会社に知られる可能性があります。
また、郵送物や督促、場合によっては自宅に関わる執行手続で家族に知られることもあります。
放置は、金額面だけでなく生活面の不利益も大きくしやすいです。これは一般的な強制執行の性質からいえます。
関連記事:「差押えされやすい財産とは?給料・預金・家財の違いを司法書士が解説」

保証人に請求が来たときの対処法
まずは主債務者と状況を確認する
最初に、主債務者本人と状況を確認することが大切です。
本当に返済が止まっているのか、すでに何か対応しているのか、債権者と話をしているのかを確認します。
ただし、主債務者に連絡がつかない、話が通じない場合でも、保証人側は自分の請求を放置してはいけません。
連帯保証人の責任は主債務者の対応待ちでは消えないからです。
分割交渉を検討する
請求が一括で来ても、現実には一括で払えないことも多いです。
その場合は、債権者に対して分割交渉を検討することがあります。
実際、裁判所の答弁書記載例でも、分割払いによる和解希望を書く形式が示されており、支払方法の話し合い自体は実務上よくあります。
ただし、分割に応じてもらえるかは相手次第です。
そのため、早めの相談が大切です。
自分で払えないなら債務整理も考える
保証人自身が払えない場合は、保証人側も債務整理を検討することがあります。
主債務者だけでなく、保証人も借金問題の当事者になっているからです。
法テラスでも、借金問題について司法書士や弁護士への無料法律相談制度が案内されています。
関連記事:「借金相談はどこにするべき?司法書士・弁護士・法テラスの違いを解説」

裁判所の書類はすぐ対応する
もし支払督促や訴状が届いたなら、それはもう通常の請求段階ではありません。
異議申立てや答弁書の提出など、期限のある対応が必要になります。
保証人の立場でも、ここを放置すると不利になりやすいです。これは裁判所手続に共通する基本です。
解決方法|保証人自身の債務整理
任意整理
任意整理は、裁判所を通さずに返済条件を話し合う方法です。
保証人自身の負担が大きく、一定額なら返済を続けられそうな場合に検討されます。
ただし、相手が交渉に応じるかどうかは別問題なので、早い段階での相談が大切です。
一般に債務整理の初期対応として利用される方法です。
関連記事:「任意整理とは?メリット・デメリットや手続きの流れを司法書士が解説」

個人再生
個人再生は、借金を大幅に減額し原則3年程度で返済していく裁判所の手続です。
保証人自身にも継続収入があり、返済再建を目指せる場合に選択肢になります。
保証人が自分の債務問題として整理する場面では、主債務者とは別に検討されます。
関連記事:「個人再生とは?住宅を守りながら借金を減額できる手続きを司法書士が解説」

自己破産
自己破産は、返済が難しい場合に借金の免除を目指す手続です。
保証人として請求を受けた結果、自分では到底払えない金額になっている場合には重要な選択肢になります。
保証人だから自己破産できない、というわけではありません。保証債務も借金の一種です。
関連記事:「自己破産とは?借金が免除される制度を司法書士が解説」

司法書士に相談するメリット
保証人としての責任を整理しやすい
司法書士に相談すると、自分が本当に保証人なのか、連帯保証人なのか、契約内容に争いがあるのかを整理しやすくなります。
無断署名や押印の問題があるなら、そもそも責任が生じるのかどうかの確認が必要です。
法テラスの相談例でも、その種のトラブルが多数示されています。
請求への対応を急ぐべきか判断しやすい
ただの通知なのか、裁判所の書類なのか、差押え直前なのかで対応の緊急度は大きく変わります。
司法書士に相談すれば、今どの段階か、何を優先すべきかを整理しやすくなります。
期限のある解決可能な手続を逃さない意味でも重要です。
保証人自身の債務整理まで見通しを立てやすい
自分で払えない場合、保証人側も債務整理を考える必要があります。
そのとき、任意整理、個人再生、自己破産のどれが合うかを比較しやすいのも、専門家に相談するメリットです。
法テラスの無料相談制度も含め、早めに相談先につながる意味は大きいです。
関連記事:「借金相談はどこにするべき?司法書士・弁護士・法テラスの違いを解説」

よくある質問
Q1.連帯保証人には、いきなり請求が来るのですか?
来ることがあります。
連帯保証人は、主たる債務者が返済しないときは直ちに全ての債務について返済責任を負います。
Q2.本人に先に請求してもらうことは出来ますか?
連帯保証人の場合、必ずしも出来るとは限りません。
主債務者より先に、または同時に請求が来ることもあります。
Q3.一括請求されたら必ず一括で払わなければいけませんか?
現実には分割交渉の余地があることもあります。
ただし、必ず応じてもらえるわけではないため、債務整理の経験が多い司法書士などへ早めの相談が安全です。
Q4.保証人になった覚えがない場合はどうすればいいですか?
契約書、署名、押印の有無などを確認してください。
無断署名や無断押印の場合は自己判断で放置せず、早めに相談することが大切です。
Q5.保証人でも自己破産できますか?
できます。
保証債務も借金なので、返済が難しい場合には自己破産を含む債務整理を検討することができます。
まとめ
保証人に請求が来たら、まずは「自分が保証人なのか連帯保証人なのか、請求内容が正しいのか、裁判所の書類が来ていないか」を確認することが大切です。
特に連帯保証人は責任が重く、主たる債務者が払わない時には直ちに全ての債務について返済責任を負うことになります。
そのため、請求を軽く考えて放置するのは危険です。
一方で、分割交渉、主債務者との調整、必要に応じた保証人自身の債務整理など取れる対応はあります。
大切なのは、「放置せず、早めに相談すること」です。
家族や知人の借金で、突然、自分に請求が来た。
保証人と言われても、何をどう確認すればいいのかわからない。
自分でも払えないかもしれない。
そのような方は、一人で抱え込まず、早めにご相談ください。
保証人や連帯保証人の問題は、主債務者の借金問題であると同時にあなた自身の法律問題でもあります。
早く動くほど、分割交渉や債務整理を含めた対応を整理しやすくなります。
保証人に請求が来て困っている方、連帯保証人として不安な方は、できるだけ早くご相談ください。
🖋この記事の監修者
司法書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
借金問題(債務整理)・相続手続きなどを中心に対応しています。

