個人再生すると会社にバレる?勤務先に知られるケースと注意点を司法書士が解説

個人再生を考えているものの、
「会社に知られたら困る」
「仕事に影響が出るのではないか」
と不安に感じている方は少なくありません。

結論からいうと、個人再生をしただけで会社にバレることは通常ありません。

個人再生は裁判所を通す手続ですが、
勤務先へ自動的に通知がいく制度ではありません。

ただし、借金を長く放置していた場合や、
会社が関係する借金がある場合などは、
勤務先に知られる可能性が出てくることがあります。

この記事では、個人再生が会社にバレるのか、
どのような場合に勤務先へ知られる可能性があるのか、
そして会社に知られにくく進めるためのポイントを、わかりやすく解説します。


結論|個人再生しただけで会社にバレることは通常ありません

個人再生をしたからといって、
その事実が自動的に勤務先へ通知されるわけではありません。

個人再生は裁判所を通じて進める手続ですが、
会社へ連絡することを前提とした制度ではありません。

また、司法書士には守秘義務があるため、
相談内容や依頼内容を勝手に勤務先へ伝えることもありません。

そのため、個人再生をしたこと自体で、すぐに会社にバレる可能性は通常高くありません。
ただし、後で説明するように、
例外的に勤務先へ知られる可能性があるケースはあります。

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個人再生が会社にバレにくい理由

会社へ自動通知される手続ではないから

個人再生は、
住宅ローンを除く借金の総額が5000万円を超えない人で、
将来継続的な収入が見込まれる個人が利用する手続です。

裁判所に申立てをして、
再生計画案を作成し、
その計画に従って返済していく流れになります。

しかし、この手続の流れの中に、
勤務先へ当然に通知する仕組みがあるわけではありません。
そのため、個人再生を申し立てたことだけで、
会社に知られるとは通常いえません。

一般の会社が信用情報を自由に見られるわけではないから

「会社が信用情報を見れば分かるのでは」と心配される方もいます。

しかし、CICは、
信用情報の利用者を加盟会員等に限定し、
利用目的も与信判断や与信後の管理などに限ると案内しています。
また、採用試験の参考にするような利用は認められていません。

JICCも、加盟会員の業態として、
消費者金融会社、クレジット会社、金融機関、保証会社などを案内しています。

つまり、一般の勤務先が、社員の個人再生や債務整理の情報を自由に確認できるわけではありません。

司法書士には守秘義務があるから

個人再生について司法書士に相談したり依頼したりしても、
その内容が勝手に勤務先へ伝わることはありません。

日本司法書士会連合会も、
司法書士には法律上の秘密保持義務があると案内しています。

そのため、
「相談したら会社に連絡されるのでは」と過度に心配する必要はありません。

関連記事:「個人再生とは?住宅を守りながら借金を減額できる手続きを司法書士が解説」
関連記事:「個人再生の住宅ローン特則とは?自宅を残すためのポイントを解説」


会社に知られる可能性がある主なケース

借金を放置して給与差押えまで進んだ場合

もっとも注意が必要なのは、
借金を放置して給与差押えまで進んでしまった場合です。

裁判所は、債権差押命令を
債務者と第三債務者に送達すると案内しています。
給料の差押えでは、この第三債務者が勤務先です。

つまり、差押えまで進むと、
その時点で会社に知られる可能性が高くなります。

会社にバレる原因になりやすいのは、
個人再生そのものというより、
何も対応せず放置してしまうことです。

関連記事:「給料や預金の差し押さえとは?対処法を司法書士が解説」
関連記事:「借金を放置するとどうなる?無視するリスクと対処法を司法書士が解説」

官報公告によって知られる可能性がゼロではない場合

法テラスは、
個人再生のデメリットとして、
官報に住所や氏名等が記載されること を案内しています。

そのため、
「絶対に誰にも知られない」とまでは言えません。

もっとも、官報に掲載されることと、
日常的に会社へ知られることは同じではありません。
ただ、理論上は会社に知られる可能性がゼロではない
という理解が正確です。

会社が債権者や保証人になっている場合

勤務先からお金を借りている場合や、
会社が保証人になっている場合は注意が必要です。

このようなケースでは、
会社自体が利害関係人になるため、
通常の消費者金融やクレジットカードの借金よりも、
勤務先に事情が伝わる可能性があります。

社内貸付や立替金がある場合は、
最初の相談で必ず伝えることが大切です。

個人再生委員や手続準備の中で会社情報の提出が必要な場合

個人再生では、
収入の継続性が重視されるため、
給与明細や源泉徴収票など、
勤務先に関係する資料を準備することがあります。

ただし、これは
勤務先に個人再生を通知するという意味ではありません。

とはいえ、書類の管理や郵送物の扱いによっては、
家族や周囲に気付かれる可能性が出ることもあるため、
連絡方法や書類の受け取り方法は事前に相談しておくと安心です。


個人再生の仕事への影響

一般の仕事すべてに影響するわけではありません

個人再生は、
自己破産のような資格制限がある手続とは性質が異なります。

今回確認した公的・準公的情報の範囲では、
個人再生について、自己破産のような
「一定の職業に就けない」という一般的な資格制限の案内は見当たりませんでした。

そのため、通常は、
個人再生をしただけで仕事そのものに直ちに支障が出るとは考えにくいです。
ただし、就業規則や会社独自の届出ルールがある場合は別途確認が必要です。

むしろ住宅や生活を守りながら立て直しやすい手続です

個人再生の大きな特徴は、
借金を大幅に減額しながら、
原則として財産を処分せずに生活再建を目指せる点です。

法テラスも、
個人再生のメリットとして、
自己破産のように財産を失うことがないこと
住宅ローン特則を使えば住宅を失わずに債務整理できることがあること
を案内しています。

そのため、
「仕事を続けながら生活を立て直したい」
「自宅をできれば残したい」
という方には、有力な選択肢になり得ます。

関連記事:「個人再生で住宅ローンはどうなる?自宅を残せる条件を解説」


会社に知られにくく進めるためのポイント

できるだけ早く相談する

会社に知られたくないのであれば、
もっとも大切なのは早めに相談することです。

個人再生を検討すべき段階なのに、
何もせず放置してしまうと、
裁判や差押えに進んでしまうことがあります。

早めに相談すれば、
個人再生がよいのか、
任意整理や自己破産の方が合っているのか、
状況に応じて判断しやすくなります。

連絡方法の希望を最初に伝える

司法書士事務所へ相談するときは、
連絡方法の希望を最初に共有しておくと安心です。

たとえば、

・勤務先には電話しないでほしい
・携帯電話だけに連絡してほしい
・郵送物の送り方に配慮してほしい
・メールやLINE中心でやりとりしたい

このような希望があれば、
最初に伝えておくのがおすすめです。

勤務先が関係する借金や社内ルールを伝える

会社からの借入れ、立替金、
会社保証などがある場合は、
個人再生の進め方に影響することがあります。

また、就業規則上、
一定の報告が必要な職種もあり得ます。

そのため、
勤務先に関係する事情が少しでもある場合は、
最初の相談でまとめて伝えることが大切です。


個人再生を司法書士に相談するメリット

個人再生を司法書士に相談するメリットは、
単に書類を作ることだけではありません。

今の状況で個人再生が向いているのか、
任意整理や自己破産の方がよいのか、
全体を見ながら判断しやすくなります。

また、弁護士や司法書士が債務整理の依頼を受け、
貸金業者に通知をすると、
通常は貸金業者からの直接の連絡は止まります。

「会社に知られたくない」
「なるべく今の生活を維持したい」
「住宅を残せる可能性があるなら検討したい」
という方ほど、早めに相談する意味があります。

関連記事:「借金相談はどこにするべき?司法書士が教える正しい相談先と借金解決の方法」


まとめ

個人再生をしただけで、
会社にバレることは通常ありません。

個人再生は裁判所を通す手続ですが、
勤務先へ自動的に通知される制度ではありません。
また、司法書士には守秘義務があり、
一般の会社が信用情報を自由に見られるわけでもありません。

一方で、
給与差押えまで進んだ場合
官報公告から知られる可能性がある場合
会社が債権者や保証人になっている場合 には注意が必要です。

そのため、会社に知られたくない方ほど、
できるだけ早めに相談することが大切です。

早い段階で状況を整理すれば、
個人再生が本当に適しているのか、
ほかの解決方法の方がよいのかも判断しやすくなります。


個人再生を考えていても、「会社に知られたら困る」「仕事や生活に影響が出たらどうしよう」と思うと、なかなか相談しにくいものです。

ですが、実際には、
放置して状況が悪化した方が勤務先に知られるリスクは高くなりやすいです。

当事務所では、現在の借入状況や返済状況を丁寧に確認し、
会社に知られる不安や住宅ローンの問題にも配慮しながら、
適切な解決方法をご案内しています。

個人再生を検討している方、まずは相談だけしたい方も、お気軽にご相談ください。

🖋この記事の監修者
司法書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
借金問題(債務整理)・相続手続きなどを中心に対応しています。

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