催告書が届いたらどうする?督促状との違いと無視のリスクを司法書士が解説
催告書が届くと、
「督促状と何が違うのか」
「このまま無視するとどうなるのか」
「すぐ差押えされるのか」
と不安になる方は多いです。
結論からいうと、催告書が届いたら無視せず、まず書類の種類・差出人・請求内容・期限を確認することが大切です。
催告書や督促状は、いきなり差押えができる書類ではないことが多いですが、放置すると相手方が訴訟や支払督促などの法的手続に進み、最終的に強制執行へつながる可能性があります。裁判所の支払督促は、受け取ってから2週間以内に異議申立てができ、仮執行宣言付支払督促になると強制執行の申立てが可能になります。また、強制執行には執行力のある債務名義の正本が必要です。
この記事では、催告書と督促状の違い、無視するリスク、届いたときに取るべき対応を分かりやすく解説します。
催告書が届いたら、まずやるべきこと
催告書が届いたときに一番大切なのは、怖くても後回しにしないことです。
封筒を開けずに置いておいたり、「どうせ払えないから」と放置したりすると、状況が悪化しやすくなります。特に、相手がその後に支払督促や訴訟を起こした場合、対応期限を過ぎると不利になるおそれがあります。
差出人を確認する
まず確認したいのは、誰から届いた書面なのかです。
消費者金融、クレジット会社、保証会社、債権回収会社、法律事務所など、差出人によって緊急度や対応方法が変わることがあります。
元の借入先ではなく、債権回収会社や代理人弁護士から届いている場合は、回収手続が進んでいる可能性があります。請求書面、封筒、会社名、連絡先、債権の内容を確認し、書類は捨てずに保管してください。
書面のタイトルだけで判断しない
「督促状」「催告書」「通知書」「請求書」「受任通知」など、書面のタイトルはさまざまです。
実は、督促状と催告書は法律で厳密に名前が区別されているわけではなく、実務上の使い分けとして用いられることが多いです。一般には、督促状は比較的早い段階の支払い請求、催告書はより強い最終警告の意味合いで使われることが多いとされています。
期限と請求内容を確認する
書面に書かれている支払期限、請求金額、契約番号、借入先、遅延損害金の有無を確認しましょう。
身に覚えのある借金なのか、金額が合っているのか、いつから滞納しているのかを整理することが大切です。
手元に契約書、利用明細、通帳、過去の郵便物があれば、いっしょに見比べると状況が把握しやすくなります。債務整理の相談では、督促状や債権回収会社からの通知書、裁判所から届いた書類なども提出資料の例として案内しています。
催告書と督促状の違いとは?
実務上は「催告書」のほうが重いことが多い
一般的には、督促状は支払いを促す通知、催告書は“このままなら法的手続に進む”という意味合いを帯びた、より強い書面として使われることが多いです。
そのため、催告書が届いたら「ただの案内ではない」と考えたほうが安全です。
内容証明郵便で届くことがある
催告書は、内容証明郵便で送られてくることがあります。
内容証明は、日本郵便が差し出された文書について一定期間謄本を保存し、再度証明を受けられる仕組みがある郵便です。つまり、相手方が「いつ、どのような内容の書面を送ったか」を残しやすい方法といえます。
ただし、内容証明で届いたからといって、その書面だけで直ちに差押えができるわけではありません。
差押えなどの強制執行には、裁判所の判決や仮執行宣言付支払督促など、執行力のある債務名義が必要です。したがって、催告書は「すぐ差押え」そのものではなく、裁判前・法的手続前の重要な警告と理解するのが実務的です。
裁判所からの「支払督促」とは別物
ここで特に注意したいのが、債権者や回収会社から届く催告書・督促状と、裁判所から届く支払督促は別物だという点です。
裁判所の支払督促は正式な裁判手続で、受け取ってから2週間以内に督促異議を出せます。異議を出さないまま進むと、仮執行宣言付支払督促となり、強制執行の申立てが可能になります。
※ここに内部リンクを設置
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催告書を無視するリスク
相手が法的手続に進みやすくなる
催告書を無視すると、相手方は「任意の話し合いでは回収できない」と判断し、訴訟や支払督促などの法的手続に進むことがあります。
裁判所の支払督促は、異議がなければ次の段階へ進み、仮執行宣言付支払督促に基づく強制執行の申立てが可能になります。
最終的に差押えへ進む可能性がある
差押えは、催告書が届いた時点で直ちに行われるものではありません。
しかし、判決や仮執行宣言付支払督促などの債務名義を相手方が取得すると、給与や預金などに対する強制執行が問題になります。裁判所も、債権執行は債務名義に基づく差押え手続であると案内しています。
関連記事:差押えが心配な方はこちら|動産執行や差押えの流れを解説

契約内容によっては一括請求の問題も出てくる
滞納が続くと、契約内容によっては残額の一括請求が問題になることがあります。
実際、催告書は「支払いの最終通告」として送られ、放置すると一括請求や差押えに発展するおそれがあると解説されています。少なくとも、催告書が届いた時点で「まだ大丈夫」と考えるのは危険です。

催告書が届いたときの正しい対処法
払えるなら早めに確認と相談をする
請求内容に間違いがなく、支払える見込みがあるなら、放置せずに相手方へ確認しましょう。
ただし、その場しのぎで曖昧な約束をするのではなく、金額、期限、振込先、分割の可否などをきちんと確認することが大切です。
払えないなら債務整理を検討する
今の収入や家計からみて支払いが難しいなら、無理に抱え込まず、任意整理、自己破産、個人再生などの債務整理を検討する段階です。
ご状況に沿って最適な債務整理の方法をご案内します。
時効の可能性があるケースも、自己判断しない
長年請求が来ていなかった借金では、時効の可能性が問題になることがあります。
民法改正後、債権の消滅時効は原則として「権利を行使できることを知った時から5年」「権利を行使できる時から10年」に整理され、催告は時効の完成猶予に関係する制度として位置付けられています。もっとも、いつから時効が進行するか、途中で更新していないかは個別事情で変わるため、自分だけで判断しないことが重要です。

裁判所の書類ならすぐに専門家へ
封筒や書面に裁判所名、支払督促、訴状、特別送達などの記載がある場合は、普通の催告書とは緊急度が違います。
裁判所の支払督促には異議申立期間があり、対応が遅れると強制執行のリスクが現実的になります。すぐに司法書士や弁護士へ相談してください。
司法書士に相談するメリット
催告書や督促状が届いたときは、自分だけで判断すると、「まだ様子見でよい書面」なのか、「すぐ動くべき書面」なのかを見誤りやすいです。
司法書士に相談すると、請求の内容、裁判所書類かどうか、債務整理が必要かどうかを整理しやすくなります。
まとめ
催告書が届いたら、まず大切なのは無視しないことです。
督促状よりも強い警告として送られていることが多く、放置すると訴訟や支払督促などの法的手続へ進む可能性があります。支払督促や強制執行には裁判所の手続や債務名義が必要ですが、だからこそ、その前の催告書の段階で動くことが重要です。
「払えるのか分からない」
「時効かもしれない」
「裁判所の書類かどうか判断できない」
このような場合は、書類を手元に置いたまま、できるだけ早く専門家へ相談しましょう。
催告書や督促状が届いて不安な方は、書類を捨てずにそのままご相談ください。
請求内容の確認、裁判所書類かどうかの見極め、今後の対処法まで、状況に応じて整理できます。
早めの相談が、差押えや一括請求など深刻な事態を避ける第一歩です。
🖋この記事の監修者
司法書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
借金問題(債務整理)・相続手続きなどを中心に対応しています。
