裁判所から訴状が届いたらどうする?支払督促との違いと今すぐ取るべき対応を司法書士が解説
裁判所から突然、
「訴状」 と書かれた書類が届くと、
「もう手遅れなのでは?」
「無視したらどうなるの?」
と強い不安を感じる方は少なくありません。
結論からいうと、訴状は絶対に放置してはいけません。
裁判所は、訴訟の相手方になった場合、訴状と最初の期日の呼出状が送られてくるので、それらをよく読み、訴状に対する言い分を答弁書に書いて提出しておくとよいと案内しています。さらに、答弁書を提出せず、かつ期日に出頭しないと、原告の言い分どおりの判決がされることがあると裁判所書式でも案内されています。
ただし、訴状が届いた時点でも、
まだできる対応はあります。
答弁書を出す、期日に対応する、返済が難しければ債務整理を検討するなど、取れる手段は残っています。
この記事では、訴状とは何か、
支払督促との違い、
放置するとどうなるのか、
そして今すぐ取るべき対応を、司法書士がわかりやすく解説します。
結論|訴状が届いたら、まず答弁書と期日の確認が最優先です
訴状は、
裁判所を通じて正式に訴えを起こされたことを意味します。
裁判所のQ&Aでも、被告になった場合は訴状と最初の期日の呼出状が送られ、訴状に対する言い分をあらかじめ答弁書に書いて提出しておくと、裁判所と原告に正確に伝えられると案内されています。
そのため、
最初に確認したいのは、
・答弁書の提出期限
・第1回口頭弁論期日
・請求している相手と金額
・本当に自分の借金か
の4点です。
裁判所の答弁書作成要領でも、提出期限までに答弁書を提出すること、出頭しない場合は早めに連絡することが案内されています。
訴状は、
放置すると不利になりやすい書類です。
ただし、届いた時点で対応すれば、まだ方針を立て直せる可能性があります。
関連記事:「裁判所から支払督促が届いたらどうする?無視のリスクと今すぐ取るべき対応を司法書士が解説」

この記事でわかること
この記事を読むと、次のことがわかります。
訴状とは何か
訴状は、
原告が裁判所に訴えを提起したことを示す書類です。
被告には、訴状とともに期日の呼出状が送られると裁判所が案内しています。
支払督促との違い
支払督促は、
書記官が行う督促手続で、異議がなければ強制執行に進みます。
一方、訴状は通常の民事訴訟に入った状態で、答弁書提出や期日対応が必要になります。
放置するとどうなるか
答弁書を出さず、期日に出頭しなければ、
原告の主張どおりの判決がされる可能性があります。
その後は、その判決に基づいて強制執行が問題になり得ます。
今から取れる対応
訴状が届いたあとでも、
答弁書の提出、期日対応、和解の検討、債務整理の相談などができます。
裁判所も、訴訟の途中でも相手方が応じれば和解で解決することがあると案内しています。
訴状とは何か
訴状は「裁判が始まった」ことを示す書類です
訴状とは、
原告が裁判所に提出する、
「こういう理由で相手に支払わせたい」という内容を書いた書類です。
裁判所は、被告になった場合には訴状と最初の期日の呼出状が送られてくると案内しています。
つまり、訴状が届いた時点で、
すでに裁判所を通じた正式な争いに入っています。
単なる請求書や催告書とは意味が違います。
訴状と一緒に呼出状や答弁書用紙が入っていることがあります
実際には、
訴状だけでなく、
・第1回口頭弁論期日の呼出状
・答弁書の書式
・答弁書の書き方
などが同封されることがあります。
裁判所のQ&Aや答弁書作成要領でも、そのような流れが案内されています。
そのため、
封筒を開けずに置いておくのが一番危険です。
中身を確認しないと、答弁書の期限や期日を見落としやすくなります。
支払督促との違い
支払督促は書記官による手続です
支払督促は、
債権者の申立てに基づき、
裁判所書記官が相手方に金銭の支払を命じる手続です。
異議がなければ仮執行宣言を経て強制執行に進みます。
訴状は通常の民事訴訟です
一方、訴状が届いた場合は、
すでに通常の民事訴訟に入っています。
この段階では、答弁書を出し、必要なら証拠を準備し、期日に対応することが必要です。裁判所は、最初の期日には自分の言い分を説明できるよう準備し、証拠書類は持参するよう案内しています。
どちらも放置は危険ですが、対応の仕方が違います
支払督促では、
主に「異議申立てをするか」が重要です。
訴状では、
「答弁書を出すか」「期日にどう対応するか」が重要になります。
裁判所の答弁書案内でも、答弁書を提出せず、かつ期日に出頭しない場合の不利益が明示されています。
関連記事:「仮執行宣言付支払督促とは?普通の支払督促との違いと対処法を司法書士が解説」

訴状を無視するとどうなる?
原告の言い分どおりの判決になることがあります
もっとも大きなリスクはここです。
裁判所の答弁書作成要領では、答弁書を提出せず、かつ口頭弁論期日に出頭しないと、原告の請求を認める判決がされることがあると案内しています。
つまり、
「出なければ逃げられる」
ではありません。
むしろ、
何も言わなかったことで、
相手の主張がそのまま通りやすくなります。
判決後は差押えの問題につながります
判決が出ると、
その内容に基づいて強制執行が問題になります。
給与差押え、預金差押え、場合によっては動産執行が視野に入ります。
裁判所は、民事執行の手続として給与や預金などの債権執行を案内しています。
関連記事:「給料や預金の差し押さえとは?対処法を司法書士が解説」

会社や家族に知られる可能性もあります
給与差押えに進めば、
勤務先が手続に関わるため、
会社に知られる可能性があります。
また、自宅への書類送達や動産執行が問題になれば、家族に知られる可能性も高まります。これは、裁判所手続が生活空間や勤務先に及ぶ性質上、実務上避けにくい不利益です。
関連記事:「借金相談したら会社にバレる?勤務先に知られるケースと対策を司法書士が解説」

訴状が届いたら今すぐ取るべき対応
まずは答弁書の提出期限を確認する
最優先は、
答弁書の提出期限です。
裁判所の答弁書作成要領では、提出期限までに必要事項を記載した答弁書を提出するよう案内しています。
この期限を過ぎると、
訴訟対応がかなり不利になります。
後回しは危険です。
請求内容を確認する
次に確認したいのは、
・相手が誰か
・金額はいくらか
・本当に自分の借金か
・すでに支払ったものが含まれていないか
・時効の可能性がないか
です。
訴状の内容を正確に読まずに対応すると、必要な反論の機会を逃しやすくなります。答弁書は、訴状に書かれた事実について「認める」「否認する」「知らない」に分けて記載するよう裁判所書式で示されています。
必要なら答弁書を出す
請求内容に争いがある場合はもちろん、
全面的に争わない場合でも、
答弁書を出して自分の立場を示すことは重要です。
裁判所のQ&Aでも、答弁書に書いて提出しておくと、自分の言い分を正確に伝えられると案内しています。
和解を検討することもあります
裁判の途中でも、
相手が応じれば和解で終わることがあります。
裁判所のQ&Aでも、訴訟の途中で話合いにより解決することを和解というと案内しています。
返済が難しい場合でも、
分割払いの希望などを伝えながら和解を目指すケースはあります。裁判所の答弁書記載例でも、分割支払を希望する欄が用意されています。
返済が難しいなら債務整理を同時に考える
借金自体を返済できない状況なら、
訴訟対応だけでなく、
任意整理、個人再生、自己破産などの債務整理も同時に検討する必要があります。
金融庁の多重債務者相談マニュアルでは、弁護士・司法書士が受任して貸金業者に通知すれば、通常は取立てが止まると案内しています。
解決方法|債務整理による対応
任意整理
任意整理は、
裁判所を通さずに返済条件を話し合う方法です。
まだ和解で解決できる余地がある段階なら、選択肢になることがあります。
ただし、訴訟がすでに始まっている以上、相手の姿勢次第では任意整理だけで足りないこともあります。これは、既に裁判所手続に乗っているためです。

個人再生
個人再生は、
借金を大幅に減額し、
原則3年程度で返済していく裁判所の手続です。
収入があり、返済再建を目指したい場合の選択肢です。訴訟が進んでいる場面でも、全体の借金問題の解決策として検討されます。

自己破産
自己破産は、
返済が困難な場合に、
借金の免除を目指す手続です。
訴訟や差押えが現実的になっている場合には、重要な選択肢です。放置して判決後に差押えへ進むより、早めに全体方針を決めることが大切です。

時効援用が問題になるケースもあります
古い借金では、
時効援用の可能性が残っていることがあります。
ただし、訴訟に入っている段階では判断が難しく、自己判断は危険です。
請求内容を見て専門家に確認した方が安全です。

司法書士に相談するメリット
今どの段階かを整理しやすい
訴状が届いたといっても、
通常訴訟なのか、
少額訴訟なのか、
すでに和解の余地が大きいのかで対応は変わります。
裁判所は、簡易裁判所の民事事件として訴訟手続の流れや答弁書提出の重要性を案内しています。
司法書士に相談すれば、
今の段階と優先すべき対応を整理しやすくなります。
答弁書や今後の方針を考えやすい
答弁書は、
認める事実、否認する事実、知らない事実を整理して書く必要があります。裁判所の答弁書記載例でも、その整理方法が示されています。
一人で読むと難しい書類でも、
専門家と一緒なら内容を整理しやすくなります。
不安を早く軽くしやすい
裁判所から訴状が届くと、
精神的な負担はかなり大きくなります。
ですが、
今の段階で何をすべきかが見えれば、
必要以上に動けなくなることを防ぎやすくなります。
訴状は放置していい書類ではなく、早めに読んで対応することが重要だと裁判所の案内からも分かります。
関連記事:「借金相談はどこにするべき?司法書士・弁護士・法テラスの違いを解説」

よくある質問
Q1.訴状が届いたら、もう負けですか?
いいえ。
訴状が届いた時点でも、答弁書を出し、期日に対応することができます。
放置が危険なのであって、届いたこと自体で即終了ではありません。
Q2.訴状は無視しても大丈夫ですか?
大丈夫ではありません。
答弁書を提出せず、かつ期日に出頭しないと、原告の言い分どおりの判決がされることがあります。
Q3.支払督促との違いは何ですか?
支払督促は書記官による督促手続、
訴状は通常の民事訴訟です。
訴状では、答弁書提出と期日対応が重要になります。
Q4.答弁書には何を書けばいいですか?
訴状に書かれた事実について、
認める、否認する、知らないを分けて書くのが基本です。
裁判所の答弁書記載例でもその形式が示されています。
Q5.返済できない場合はどうすればいいですか?
返済が難しいなら、
訴訟対応とあわせて、任意整理、個人再生、自己破産などの債務整理を検討する必要があります。
早い相談の方が、選べる対応は広くなりやすいです。
まとめ
裁判所から訴状が届いたら、
放置してはいけません。
訴状は、
裁判が始まったことを示す正式な書類であり、
答弁書を出さず、期日に対応しなければ、原告の言い分どおりの判決がされることがあります。
一方で、
届いた時点でも、
答弁書を出す、和解を検討する、債務整理を考えるなど、できる対応はあります。
大切なのは、
・封筒をすぐ開ける
・答弁書の期限を確認する
・期日を確認する
・早めに相談する
この4点です。
訴状が届いたときは、怖くても後回しにしないことが何より重要です。
裁判所から訴状が届いて、
何をしたらよいかわからない。
答弁書と書かれているけれど、
どう書けばいいのかわからない。
差押えや会社バレも不安。
そのような方は、
一人で抱え込まず、早めにご相談ください。
訴状は、
放置すると不利な判決につながりやすい一方で、
届いた直後ならまだ取れる対応があります。
答弁書の期限を過ぎる前に動くことが大切です。
裁判所から訴状が届いた方、返済が難しくて不安な方は、できるだけ早くご相談ください。
🖋この記事の監修者
司法書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
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