自己破産は避けたいが借金を返しきれない方へ|個人再生で解決できるケース

「借金は返したいけれど、今の金額を完済するのは難しい」

「自己破産をすると、自宅や財産を失うのではないかと不安」

「安定した給料はあるので、減額されれば返済を続けられる」

このようなお悩みはありませんか。

結論からいうと、自己破産を避けたい方は、個人再生によって借金問題を解決できる可能性があります。

個人再生は、裁判所に再生計画を認めてもらい、減額後の借金を原則3年間で返済する手続です。

継続した収入があり、住宅ローンなどを除く無担保債務が5,000万円以下であることなどが、利用するための基本的な条件です。再生計画どおりに返済すると、原則として残った借金の支払義務が免除されます。

ただし、「自己破産をしたくない」という希望だけで個人再生を選べるわけではありません。

減額後の借金を継続して返済できることや、家計・財産の状況を裁判所へ正確に説明できることが必要です。

この記事では、自己破産を避けたい方に向けて、個人再生で解決できるケース、返済額の目安、自己破産との違いを司法書士が分かりやすく解説します。


自己破産を避けたい方は個人再生を利用できる?

自己破産を避けたいと考えている方でも、一定の条件を満たせば個人再生を利用できる可能性があります。

個人再生には、主に次の2種類があります。

  • 小規模個人再生
  • 給与所得者等再生

会社員はどちらの手続も検討できます。

ただし、給与所得者等再生では、最低弁済額や財産価値だけでなく、可処分所得の2年分以上を返済しなければならないため、小規模個人再生より返済額が高くなることがあります。

どちらを選ぶかは、年収だけでなく、家族構成、生活費、財産、債権者の構成などを確認して判断します。

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個人再生で解決できる可能性がある6つのケース

1.毎月の給与収入が安定している

個人再生では、減額後の借金を継続して返済します。

そのため、将来にわたって継続的または反復して収入を得る見込みが必要です。

会社員として毎月給与を受け取っており、今後も勤務を続ける予定であれば、個人再生を検討しやすい状況といえます。

正社員でなければ利用できないわけではありません。

パートやアルバイトでも、継続した勤務と安定した収入が確認できれば、利用できる可能性があります。

2.借金の全額は返せないが、減額後なら返済できる

個人再生は、借金をすべて免除してもらう手続ではありません。

法律上の基準によって算出された金額を、原則3年間で返済します。特別な事情が認められれば、最長5年まで返済期間を延長できる場合があります。

たとえば、借金500万円を任意整理して60回の分割返済をすると、単純計算では月約83,000円です。

一方、個人再生で返済総額が100万円となり、3年間で返済する場合は、月額換算で約3万円です。

毎月8万円は払えなくても、3万円程度なら安定して払えるという方は、個人再生で解決できる可能性があります。

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3.任意整理では返済額が高すぎる

任意整理では、将来利息のカットや返済期間の延長を交渉します。

しかし、借金自体が大幅に減るとは限りません。

借金が300万円、500万円、800万円と増えている場合、将来利息がなくなっても、毎月の返済額が高くなります。

任意整理後の返済額が家計から出せない場合は、無理に和解するのではなく、個人再生を利用した場合の返済額も比較することが大切です。

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4.住宅ローンを支払いながら自宅を残したい

個人再生には、一定の条件を満たす場合に利用できる「住宅資金特別条項」があります。

この制度を利用すると、住宅ローンを支払い続けながら、カードローンやクレジットカードなど、住宅ローン以外の借金を整理できる可能性があります。

ただし、住宅ローン自体が減額される制度ではありません。

個人再生後も、原則として住宅ローンと減額された借金の両方を支払います。

また、自宅の名義、抵当権、住宅ローンの契約内容などによっては利用できない場合がありますので、詳しくは専門家へご相談ください。

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5.残したい財産がある

自己破産は、一定の財産を換価して債権者へ配当する清算手続です。

これに対して個人再生では、自宅や自動車などの財産を保有しながら手続を進められる場合があります。

ただし、財産をそのまま残せるからといって、返済額に影響しないわけではありません。

個人再生では、保有財産を処分した場合の価値である「清算価値」以上を返済しなければなりません。

たとえば、法律上の最低弁済額が100万円でも、預貯金や保険、自動車、退職金見込額などの評価額が合計180万円となれば、原則として180万円以上を返済する必要があります。

6.自己破産ではなく、可能な範囲で返済したい

「借金を全額返すことはできないが、収入の範囲内で一定額は返したい」と考える方もいます。

個人再生は、減額後の借金を再生計画に従って返済する手続です。

返済総額、期間、毎月の返済原資を確認し、実行可能な計画を作成します。

自己破産を避けたいという希望に加えて、減額後の借金を継続して返済できる見込みがある場合は、個人再生を検討する意味があります。


個人再生をすると借金はいくらになる?

小規模個人再生における最低弁済額の一般的な基準は、次のとおりです。

  • 借金500万円以下:100万円
  • 500万円超1,500万円以下:借金総額の5分の1
  • 1,500万円超3,000万円以下:300万円
  • 3,000万円超5,000万円以下:借金総額の10分の1

実際の返済額は、この基準だけでなく、清算価値や、給与所得者等再生を選んだ場合の可処分所得によって高くなることがあります。

借金300万円の場合

最低弁済額が100万円となり、3年間で返済する場合は、月額換算で約3万円です。

借金500万円の場合

借金がちょうど500万円であれば、最低弁済額は100万円です。

3年間で返済する場合は、月額換算で約3万円です。

借金800万円の場合

最低弁済額が借金総額の5分の1となれば、返済総額は160万円です。

3年間で返済する場合は、月額換算で約44,000円です。

これらは、財産が少ない小規模個人再生を想定した単純な参考例です。

必ずこの金額になるわけではありません。


個人再生と自己破産の違い

借金を返済するか

個人再生では、減額後の借金を原則3年間で返済します。

自己破産では、破産手続で財産を清算したうえで免責が許可されると、法律上の例外を除き、残った借金の支払責任が免除されます。

安定した収入が必要か

個人再生では、再生計画に基づく返済を続けるため、継続的な収入が必要です。

自己破産は、収入や財産だけでは借金を支払えない状態にある方が利用する清算手続です。

財産を残せるか

個人再生では、自宅や自動車などを残せる可能性があります。

ただし、財産価値が高いと返済額も高くなります。

自己破産では、一定の財産が換価の対象になる可能性があります。

自宅を残せるか

個人再生では、住宅資金特別条項を利用して自宅を残せる可能性があります。

自己破産では、住宅ローンが残る自宅は、原則として処分の対象となる可能性があります。

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個人再生では解決が難しい可能性があるケース

継続した収入を見込めない

収入がなく、今後も安定した収入を得る見込みがない場合は、減額後の借金を返済できません。

この場合は、個人再生より自己破産が適している可能性があります。

減額後の借金も支払えない

借金が100万円まで減額されても、3年間なら月額換算で約3万円の返済が必要です。

この金額を家計から継続して出せない場合は、個人再生による解決が難しくなります。

自己破産を避けることだけを優先して無理な計画を立てると、再生計画の途中で支払えなくなるおそれがあります。

財産価値が高く、返済額が下がらない

預貯金、保険、不動産、自動車、退職金見込額などの財産が多い場合は、清算価値によって返済総額が高くなります。

想定していたほど借金が減らない場合は、任意整理や自己破産を含めて再検討する必要があります。

無担保債務が5,000万円を超えている

個人再生を利用するには、住宅ローンなどを除く無担保債務が5,000万円以下であることが必要です。


個人再生の手続の流れ

1.借金・収入・財産を調査する

債権者ごとの借金額を調査します。

同時に、給与、生活費、預貯金、保険、自動車、不動産、退職金見込額などを確認します。

2.返済額と家計を試算する

法律上の最低弁済額と清算価値を確認し、毎月いくら返済する必要があるかを計算します。

住宅ローンがある場合は、住宅ローンと個人再生の返済を両立できるかも確認します。

3.裁判所へ申し立てる

申立書、債権者一覧表、財産目録、家計表などを作成して、裁判所へ提出します。

個人再生は、申立て後も債権調査や再生計画案の作成などが必要となるため、法律的な判断を要する手続です。

4.再生計画案を提出する

確定した借金額や財産額をもとに、返済総額、返済期間、返済方法を定めた再生計画案を提出します。

5.認可後に返済を開始する

再生計画が認可され、決定が確定した後は、計画に従って返済を続けます。

計画どおりに返済を終えると、原則として残った借金が免除されます。


個人再生を司法書士に相談するメリット

個人再生を検討するときは、借金額だけで判断できません。

司法書士へ相談することで、次の点を整理できます。

  • 任意整理をした場合の返済見込額
  • 個人再生の最低弁済額
  • 財産が返済額に与える影響
  • 小規模個人再生と給与所得者等再生の違い
  • 住宅資金特別条項を利用できる可能性
  • 自己破産と比較したメリット・注意点
  • 裁判所へ提出する書類の準備

司法書士は、裁判所提出書類の作成業務などを通じて、個人再生や自己破産による生活再建を支援します。

自己破産を避けたいというご希望を踏まえながら、本当に個人再生で返済を続けられるかを確認することが大切です。


よくある質問

会社員なら個人再生を利用しやすいですか?

会社員は継続した給与収入を確認しやすいため、個人再生を検討できる可能性があります。

ただし、給与があるだけでは足りません。

生活費や住宅ローンを支払った後に、再生計画の返済額を継続して出せることが必要です。

個人再生をすれば必ず借金が5分の1になりますか?

必ず5分の1になるわけではありません。

借金総額による最低弁済額、財産の清算価値、可処分所得などを比較して返済額が決まります。

任意整理の途中から個人再生へ変更できますか?

任意整理による返済が難しい場合は、個人再生への変更を検討できる可能性があります。

すでに和解している場合でも、今後の収入、支出、残っている借金、財産などを改めて確認します。

住宅ローンがあっても個人再生できますか?

一定の条件を満たせば、住宅資金特別条項を利用できる可能性があります。

ただし、住宅ローンの支払いは原則として続ける必要があります。

個人再生で返済できない場合はどうなりますか?

再生計画の途中で返済が難しくなった場合は、状況に応じて計画変更などを検討することがあります。

それでも返済を継続できない場合は、自己破産を含めた別の解決方法を検討する必要があります。


まとめ|自己破産を避けたいなら個人再生の返済額を確認しましょう

自己破産を避けたい会社員の方は、個人再生によって借金問題を解決できる可能性があります。

特に、次のような方は個人再生を検討する価値があります。

  • 安定した給与収入がある
  • 借金全額は返せないが、減額後なら返済できる
  • 任意整理では毎月の返済額が高すぎる
  • 住宅ローンを支払いながら自宅を残したい
  • 残したい財産がある
  • 可能な範囲で一定額を返済したい

ただし、自己破産を避けることだけを目的に、無理な返済計画を立てるべきではありません。

個人再生後の返済額、住宅ローン、生活費を含めて、毎月の家計から無理なく支払えるかを確認することが重要です。


自己破産以外の方法を探している会社員の方へ

横濱つきあかり法務事務所では、借金額、給与、生活費、住宅ローン、保有財産などを確認し、個人再生を利用した場合の返済額を検討します。

「自己破産はできる限り避けたい」

「任意整理では毎月の返済額が高すぎる」

「自宅を残しながら借金を整理したい」

このような方は、返済を滞納する前にご相談ください。

個人再生にこだわるのではなく、任意整理や自己破産を含め、ご状況に合った解決方法を一緒に検討します。

相談したからといって、すぐに依頼を決める必要はありません。

まずは、個人再生をした場合に毎月いくら返済することになるのかを確認しましょう。

🖋この記事の監修者
司法書士・行政書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
借金問題(債務整理)・相続手続きなどを中心に対応しています。

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