生前贈与とは?メリット・贈与税・手続きのポイントを解説
将来の相続に備えて、財産の引き継ぎ方を事前に考えておくことはとても重要です。その方法の一つとしてよく利用されるのが生前贈与です。
生前贈与をうまく活用することで、相続税対策や相続トラブルの防止につながる場合があります。
この記事では、生前贈与の基本的な仕組み、メリット、贈与税の基礎控除、不動産を贈与する場合の手続きについて分かりやすく解説します。
生前贈与とは
生前贈与とは、亡くなる前に自分の財産を家族などに贈与することをいいます。
通常、財産は亡くなった後に相続によって引き継がれますが、生前贈与を利用することで、存命中に財産を移転することができます。
例えば、次のような財産が生前贈与の対象になります。
- 現金・預金
- 不動産(土地・建物)
- 株式や投資信託
- 自動車
- 貴金属など
生前贈与は、相続対策として利用されることが多く、計画的に行うことで家族への財産承継をスムーズに進めることができます。
生前贈与のメリット
生前贈与にはさまざまなメリットがあります。
相続税対策になる
生前贈与を活用すると、将来の相続財産を減らすことができるため、相続税の負担を軽減できる可能性があります。
例えば、毎年少しずつ財産を贈与していくことで、相続時に残る財産を減らすことができます。
財産を計画的に分けられる
生前贈与では、誰にどの財産を渡すかを本人が決めることができます。
そのため、
- 子どもに住宅資金を援助する
- 孫の教育資金を支援する
- 家業を継ぐ人に財産を渡す
など、計画的な財産承継が可能になります。
相続トラブルの防止
相続では、遺産の分け方をめぐってトラブルになるケースも少なくありません。
しかし、生前贈与によって事前に財産を分けておくことで、相続時の遺産分割協議が簡単になり、相続人同士のトラブルを防ぐ効果が期待できます。
贈与税の基礎控除
生前贈与を行う場合には、贈与税が発生する可能性があります。
ただし、贈与には次のような基礎控除があります。
年間110万円
つまり、1年間に受け取った贈与額が110万円以下であれば、原則として贈与税はかかりません。
この制度を利用して、
- 毎年110万円以内で贈与する
- 数年かけて財産を移転する
といった方法が、相続対策としてよく利用されています。
ただし、短期間にまとめて贈与することを前提とした「名義預金」と判断される場合などは、税務上問題になることもあるため注意が必要です。
不動産の生前贈与
現金だけでなく、不動産を生前贈与することも可能です。
例えば、
- 自宅の土地や建物を子どもに贈与する
- 収益不動産を家族に移転する
といったケースがあります。
不動産を贈与する場合には、単に契約をするだけでなく、法務局で名義変更の登記手続きを行う必要があります。
不動産贈与の登記手続き
不動産を生前贈与する場合には、**所有権移転登記(贈与登記)**を行います。
一般的な手続きの流れは次のとおりです。
- 贈与契約書を作成
- 必要書類を準備
- 法務局へ登記申請
- 登記完了
登記が完了すると、不動産の名義が正式に受贈者へ変更されます。
なお、贈与登記では次のような書類が必要になることが多いです。
- 贈与契約書
- 贈与者の印鑑証明書
- 固定資産評価証明書
- 登記申請書
これらの手続きは専門的な知識が必要なため、司法書士に依頼することが一般的です。
生前贈与で注意すべきポイント
生前贈与を行う際には、次のような点に注意する必要があります。
税金の負担
贈与税は相続税よりも税率が高い場合があります。
そのため、贈与と相続のどちらが有利かを検討することが重要です。
相続開始前の贈与の扱い
一定期間内の贈与は、相続財産に加算される場合があります。
不動産の場合は費用がかかる
不動産の贈与では、
- 登録免許税
- 不動産取得税
などが発生する場合があります。
生前贈与でお困りの方へ
生前贈与は、相続対策として有効な制度ですが、
- 贈与税の検討
- 贈与契約書の作成
- 不動産の登記手続き
など、専門的な知識が必要になることもあります。
特に不動産の生前贈与では、所有権移転登記が必要になるため、司法書士へ相談することでスムーズに手続きを進めることができます。
生前贈与を検討している方や、相続対策についてお悩みの方は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
