給料差押えを避けるには?会社員が借金を放置するリスクを司法書士が解説


借金の返済が遅れている会社員の方にとって、特に注意が必要なのが「給料差押え」です。

給料差押えになると、裁判所から勤務先に書類が届きます。

そのため、借金問題を会社に知られてしまう可能性が高くなります。

結論からいうと、給料差押えを避けるためには、督促や裁判所からの書類を放置せず、早めに債務整理を検討することが重要です。

特に、訴状、支払督促、仮執行宣言付支払督促、差押予告通知などが届いている場合は、すぐに対応する必要があります。

この記事では、会社員が借金を放置するとどうなるのか、給料差押えを避けるために何をすべきかを司法書士が分かりやすく解説します。


給料差押えとは?

給料差押えとは、借金を滞納した人の給料の一部を、債権者が裁判所の手続きを通じて回収する制度です。

会社員の場合、勤務先が「第三債務者」として手続きに関わります。

裁判所から勤務先へ債権差押命令が送られると、勤務先は差し押さえられた部分の給料を本人へ支払えなくなります。(本人ではなく差し押さえをしてきた債権者へ勤務先が直接支払う必要があるためです)

裁判所の説明でも、差押命令は債務者と第三債務者に送達され、給料差押えの場合は原則として給料の4分の1、月給が44万円を超える場合は33万円を除いた金額を差し押さえることができるとされています。

また、厚生労働省のQ&Aでも、賃金の4分の3は差押えが禁止され、原則として4分の1までが差押えの対象になると説明されています。

給料差押えになると会社にバレる?

給料差押えになると、会社に知られる可能性は高いです。

なぜなら、従業員の給与債権が差し押さえられると、裁判所から直接勤務先に債権差押命令が送達されるからです。

つまり、任意整理をしただけで会社に通知されるわけではありません。

しかし、借金を放置して給料差押えまで進んでしまうと、勤務先に借金問題を知られるリスクが高くなります。

「会社にバレたくない」という方ほど、差押えになる前の対応が大切です。

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借金を放置し給料差押えされるまでの流れ

借金を1回滞納しただけで、すぐに給料が差し押さえられるわけではありません。

通常は、次のような流れで進みます。

1. 督促や催告書が届く

返済が遅れると、まずは電話、SMS、ハガキ、封書などで督促が来ます。

この時点で返済や相談をすれば、裁判や差押えまで進む前に解決できる可能性があります。

しかし、督促を無視し続けると、状況は悪化していきます。

2. 一括請求される

滞納が続くと、分割払いの約束が崩れ、残額を一括で請求されることがあります。

これを「期限の利益の喪失」といいます。

一括請求になると、毎月少しずつ返済することが難しくなります。

3. 訴状や支払督促が届く

さらに放置すると、債権者が裁判所の手続きを利用することがあります。

代表的なものが、訴状や支払督促です。

支払督促について、裁判所は、債務者が支払督促を受け取ってから2週間以内に督促異議を申し立てることができ、異議がない場合は債権者が仮執行宣言の申立てをできると説明しています。

仮執行宣言付支払督促が送達された後は、債権者が強制執行の申立てをすることが可能になります。

4. 債権差押命令が勤務先に届く

判決や仮執行宣言付支払督促などに基づき、債権者が強制執行を申し立てると、給料差押えに進むことがあります。

この段階になると、裁判所から勤務先に債権差押命令が送られます。

会社に知られたくない場合は、この段階まで放置しないことが重要です。

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会社員が借金を放置した場合の主なリスク

会社員が借金を放置すると、単に延滞利息で返済額が増えるだけではありません。

生活や勤務先との関係にも影響が出る可能性があります。

勤務先に知られる可能性がある

もっとも大きなリスクは、勤務先に借金問題を知られることです。

給料差押えでは、勤務先が裁判所からの書類を受け取り、差押えに対応する必要があります。

そのため、経理担当者や人事担当者に知られる可能性があります。

任意整理の段階で相談していれば勤務先に知られにくかったケースでも、差押えまで進むと状況は変わります。

毎月の手取りが減る

給料の一部が差し押さえられると、毎月の手取りが減ります。

家賃、食費、光熱費、携帯代、保険料、教育費などを支払った後の生活が、さらに厳しくなる可能性があります。

借金返済で苦しい状態の方にとって、手取りが減ることは大きな負担です。

ボーナスも対象になる可能性がある

給料差押えは、毎月の給与だけでなく、賞与にも影響することがあります。

ボーナスで遅れを取り戻そうと考えていても、差押えが続いていると、予定どおり使えない可能性があります。

「次のボーナスで何とかする」と考えて放置するのは危険です。

口座差押えも受ける可能性がある

債権者は、給料だけでなく預金口座の差押えを申し立てることもあります。

給与振込口座が差し押さえられると、生活費の引き出しに支障が出ることがあります。

特に、給与が入った直後に口座を差し押さえられると、生活への影響が大きくなります。

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給料差押えを避けるためにできること

給料差押えを避けるには、段階ごとに適切な対応をする必要があります。

大切なのは、「まだ大丈夫」と思って放置しないことです。

督促が来た段階で相談する

もっとも避けたいのは、督促を無視し続けることです。

電話や郵便が来ている段階であれば、任意整理によって返済条件を見直せる可能性があります。

任意整理は、裁判所を使わずに貸金業者やカード会社と交渉する手続きです。

将来利息のカットや返済期間の見直しによって、毎月の返済負担を減らせる場合があります。

会社員で毎月一定の収入がある方は、任意整理が合うケースも多いです。

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訴状や支払督促は絶対に放置しない

裁判所から書類が届いた場合は、すぐに対応してください。

訴状や支払督促を放置すると、債権者の請求が認められ、その後に給料差押えへ進む可能性があります。

裁判所からの書類は、対応期限が決まっています。

届いた書類を見ても分からない場合は、自分で判断せず、早めに司法書士へ相談してください。

差押予告通知が届いたら急ぐ

債権回収会社や貸金業者から「差押えを検討する」「法的手続きを取る」といった通知が届いた場合は、かなり危険な段階です。

もちろん、すべての通知が直ちに差押えを意味するわけではありません。

しかし、すでに判決や支払督促が確定している場合は、実際に差押えに進む可能性があります。

差押予告通知が届いたら、過去に裁判所から書類が届いていないか、判決や支払督促が確定していないかを確認する必要があります。

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債務整理で給料差押えを避けられる?

債務整理を早めに行うことで、給料差押えを避けられる可能性があります。

ただし、どの手続きが合うかは、借金額、収入、生活費、滞納状況、裁判の有無によって変わります。

任意整理が向いているケース

任意整理が向いているのは、今後の利息を止めれば3年から5年程度で返済できるケースです。

会社員として安定収入があり、毎月返済に回せるお金がある場合は、まず任意整理を検討します。

裁判所を使わないため、会社に知られにくい点もメリットです。

ただし、すでに給料差押えが始まっている場合、任意整理だけで自動的に差押えが止まるわけではありません。

早めの相談が大切です。

個人再生が向いているケース

借金額が大きく、任意整理では返済が難しい場合は、個人再生を検討します。

個人再生は、裁判所を通じて借金を大きく減額し、原則として3年程度で分割返済する手続きです。

住宅ローンを支払いながら、その他の借金を整理できる可能性があるため、マイホームを残したい会社員の方に向いている場合があります。

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自己破産が向いているケース

返済の見込みがない場合は、自己破産を検討すべきこともあります。

自己破産は、裁判所を通じて借金の支払義務を免除してもらうことを目指す手続きです。

会社員でも、収入や生活状況から返済が困難であれば、自己破産が選択肢になります。

「会社員だから自己破産できない」ということはありません。

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給料差押えを避けたい人がやってはいけないこと

給料差押えが不安なときほど、焦って間違った対応をしてしまうことがあります。

次のような対応は避けましょう。

返済のためにさらに借りる

返済日を乗り切るために、別のカードローンや消費者金融から借りるのは危険です。

一時的に返済できても、借金総額は増えていきます。

返済のための借入れが続いている場合は、自力での返済が限界に近いサインです。

裁判所からの封筒を開けない

「怖いから見ない」という対応は、もっとも危険です。

裁判所からの書類には、対応期限が書かれています。

期限を過ぎると、給料差押えへ進むリスクが高くなります。

封筒を開けて、すぐに内容を確認してください。

会社を辞める

給料差押えを避けるために、急いで退職するのはおすすめできません。

収入がなくなると、任意整理や個人再生での返済計画が立てにくくなる可能性があります。

退職や転職を考える前に、債務整理で解決できるかを確認しましょう。

家族や会社に隠したまま限界まで放置する

借金問題は、放置するほど選択肢が狭くなります。

家族や会社に知られたくない気持ちは自然です。

しかし、差押えまで進むと、かえって知られるリスクが高くなります。

知られたくないからこそ、早めに専門家へ相談することが大切です。

司法書士に相談するメリット

会社員の借金問題では、給料差押えになる前の判断が重要です。

司法書士に相談することで、次のような点を確認できます。

・給料差押えのリスクがどの段階にあるか
・任意整理で対応できるか
・個人再生や自己破産を検討すべきか
・裁判所からの書類にどう対応するか
・勤務先に知られる可能性を下げるにはどうするか
・毎月いくらなら無理なく返済できるか

日本司法書士会連合会の債務整理事件に関する指針でも、手続きの選択にあたっては依頼者の経済的利益を最大限考慮し、破産や民事再生が適切な場合に安易に任意整理を選んではならない趣旨が示されています。

つまり、単に「会社に知られにくいから任意整理」というだけでは不十分です。

本当に返済を続けられるのか、差押えを避けるにはどの手続きが現実的かを確認することが大切です。

よくある質問

給料差押えになる前に止める方法はありますか?

状況によりますが、督促や裁判の段階であれば、任意整理や分割交渉などで差押えを避けられる可能性があります。

裁判所から書類が届いている場合は、対応期限があるため、早めに相談してください。

給料差押えになると必ず会社にバレますか?

給料差押えでは、裁判所から勤務先に債権差押命令が送られます。

そのため、勤務先に知られる可能性は高いです。

会社に知られたくない場合は、差押え前の対応が重要です。

任意整理をすれば給料差押えは避けられますか?

早い段階で任意整理をすれば、給料差押えを避けられる可能性があります。

ただし、すでに判決や支払督促が確定している場合、任意整理だけで必ず差押えを防げるとは限りません。

状況確認が必要です。

支払督促が届いたらどうすればいいですか?

支払督促を受け取った場合、原則として2週間以内に督促異議を申し立てることができます。

放置すると仮執行宣言が付され、強制執行に進む可能性があります。

届いたらすぐに専門家へ相談してください。

借金額が少なくても給料差押えになりますか?

借金額が少なくても、裁判や支払督促を放置すると差押えに進む可能性があります。

金額の大小ではなく、滞納状況と法的手続きの進行状況が重要です。


まとめ

給料差押えを避けるには、借金を放置しないことが何より重要です。

会社員の場合、給料差押えになると勤務先に裁判所から書類が届き、借金問題を会社に知られる可能性が高くなります。

督促や催告書の段階であれば、任意整理で対応できる可能性があります。

訴状や支払督促が届いている場合は、期限内の対応が必要です。

差押予告通知が届いている場合は、すでに危険な段階に入っている可能性があります。

「まだ大丈夫」と思って放置すると、給料や口座の差押えに進むことがあります。

会社に知られたくない方ほど、早めに司法書士へ相談してください。


給料差押えを避けたい会社員の方へ

「借金を滞納していて給料差押えが不安」
「会社に借金を知られたくない」
「訴状や支払督促が届いている」
「差押予告通知が届いてどうしたらよいか分からない」
「任意整理で解決できるか知りたい」

このようなお悩みがある方は、早めにご相談ください。

横濱つきあかり法務事務所では、会社員の方からの債務整理相談を受け付けています。

現在の借金額、滞納状況、裁判所からの書類、収入、生活費を確認したうえで、給料差押えを避けるために現実的な方法をご案内します。

まずは無料相談をご利用ください。

🖋この記事の監修者
司法書士・行政書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
借金問題(債務整理)・相続手続きなどを中心に対応しています。

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