遺言書が見つからないときはどう探す?公証役場・法務局への確認方法を司法書士が解説
「父は遺言書を作ったと言っていたのに、自宅を探しても見つからない」
「遺言書があるか分からないまま、遺産分割協議を始めても良いのだろうか」
このような場合は、すぐに遺産分割を確定させず、まず遺言書の有無を確認しましょう。
遺言書は、自宅や貸金庫に保管されていることがあります。公正証書遺言なら公証役場、自筆証書遺言書保管制度を利用していれば法務局で確認できる可能性があります。
遺言書が後から見つかると、すでに行った遺産分割や名義変更を見直さなければならないことがありますので、順番に確認をすることが大切です。
この記事でわかること
- 遺言書が見つからないときに探す場所
- 公証役場で公正証書遺言を検索する方法
- 法務局で保管の有無を確認する方法
- 自宅で遺言書を見つけたときの注意点
- 遺言書がない場合の相続手続きの進め方

最初に自宅と重要書類の保管場所を確認する
まず、亡くなった方が書類を保管していた場所を丁寧に確認します。
よくある保管場所は次のとおりです。
- 机や書棚、金庫
- 仏壇や写真アルバムの近く
- 通帳や権利証と同じファイル
- 銀行の貸金庫
- 信頼していた親族や専門家
- 入院先や高齢者施設から戻された荷物
「遺言」、「公証役場」、「法務局」などと書かれた封筒だけでなく、公証役場の領収書や法務局の保管証も手掛かりになります。
スマートフォンやパソコンに、作成を依頼した専門家とのメールが残っていることもあります。ただし、本人の端末やデータから探す際にはプライバシーに配慮し、相続人の間で確認方法を共有したうえで扱いましょう。
公正証書遺言は公証役場で検索できます
公正証書遺言は、公証人が作成し、原本が公証役場側で保管されます。そのため、手元に正本や謄本が見つからなくても、原本まで失われたとは限りません。
日本公証人連合会によると、平成元年以降に作成された公正証書遺言については、遺言者の死亡後、相続人などの利害関係人が全国の公証役場で検索を申し出ることができます。
公証役場で確認される主な書類
一般的には、次のような資料が必要です。
- 遺言者が亡くなったことを確認できる除籍謄本など
- 申出人が相続人であることを確認できる戸籍謄本
- 申出人の本人確認書類
- 代理人が手続きをする場合の委任状など
検索によって作成した公証役場が分かれば、その公証役場へ謄本の交付を請求します。
必要書類や請求方法は個別事情によって異なるため、事前に公証役場へ確認するとスムーズです。
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法務局保管の自筆証書遺言も確認できます
自筆証書遺言書保管制度を利用していた場合、遺言書は法務局の遺言書保管所に保管されています。
相続人、受遺者、遺言執行者などは、遺言者の死亡後に証明書の交付を請求できます。
遺言書保管事実証明書
特定の遺言者について、自分が関係相続人などに該当する遺言書が保管されているかを確認するための証明書です。
まず保管の有無を知りたい場合に利用できます。
遺言書情報証明書
保管されている遺言書の内容を確認し、相続登記や金融機関の手続きなどに利用するための証明書です。
法務省の案内では、これらの証明書の交付請求は、管轄に限らず全国の遺言書保管所で行うことができます。
戸籍一式が多い場合は、法定相続情報一覧図を利用できることもあります。
関連記事:相続登記の必要書類
自宅で封印された遺言書を見つけても開封しない
自宅で封筒に入った自筆証書遺言を見つけた場合は、すぐに開封しないでください。
法務局に保管されていない自筆証書遺言は、原則として家庭裁判所で検認を受けます。封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人などが立ち会う場面以外で開封しないのが原則です。
検認は、遺言書の状態や内容を確認して、その後の偽造・変造を防ぐための手続です。遺言の有効・無効を最終判断する手続きではありません。
誤って開封しただけで直ちに遺言書が無効になるわけではありませんが、トラブルを避けるため、現状を保ったまま専門家へ相談しましょう。
遺言書を確認する前に遺産分割を確定させない
相続人全員が合意すれば遺産分割協議はできます。しかし、遺言書が存在する可能性が高いのに、確認せず協議書へ署名押印することはおすすめできません。
遺言書が後から見つかり、その内容が協議と異なれば、財産の取得者や遺言執行者への連絡が必要になります。預金の解約や相続登記を済ませている場合は、手続きの見直しが必要になることもあります。
遺言書の内容、相続人全員の意向、すでに行った処分などにより対応は変わります。相続人間に争いがある場合や遺言の有効性が問題になる場合は、弁護士への相談が必要です。
関連記事:遺産分割協議後に新しい財産が見つかった場合
遺言書が見つからなければ法定相続人を確定する
自宅、公証役場、法務局を確認しても遺言書が見つからない場合は、戸籍を集めて法定相続人を確定し、相続財産を調査します。
そのうえで、相続人全員による遺産分割協議を行います。
戸籍の見落としにより、後から相続人が判明すると、協議をやり直す可能性があります。被相続人の出生から死亡までの戸籍に加え、相続関係に応じた戸籍が必要です。
また、借金の有無が不明な場合は、相続放棄の期限にも注意が必要です。相続放棄は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。
司法書士へ相談すると確認から登記まで整理できます
遺言書の探索には、戸籍の収集や相続関係の確認が必要です。
司法書士へ相談すれば、遺言書の種類に応じた確認方法、相続人調査、遺言内容に基づく不動産の名義変更まで、一連の流れを整理できます。
横濱つきあかり法務事務所では、遺言書の有無が分からない段階からご相談いただけます。手元にある戸籍、封筒、公証役場や法務局の書類などをお持ちください。
よくある質問
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公正証書遺言の控えを紛失しても内容を確認できますか?
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遺言者の死亡後、相続人などの利害関係人が公証役場で検索し、保管公証役場へ謄本を請求できる場合があります。戸籍や本人確認書類などが必要です。
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法務局へ預けた遺言書は家族が返してもらえますか?
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原本の返却を受ける仕組みではありません。相続人などは、遺言書情報証明書の交付や閲覧によって内容を確認します。
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自筆証書遺言を勝手に開けると無効ですか?
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開封だけで直ちに無効になるとは限りません。ただし、封印のある遺言書は家庭裁判所で開封するのが原則なので、そのまま保管して相談してください。
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遺言書を探している間に相続放棄の期限が過ぎそうです
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遺言書の探索中でも、相続放棄の期限には注意が必要です。財産調査が間に合わない事情がある場合は、期間伸長の申立ても含めて早めに専門家へ確認しましょう。
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遺言書が後から見つかったら遺産分割は無効になりますか?
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一律に決まるものではありません。遺言の内容、相続人や受遺者の意向、すでに処分した財産などにより対応が異なるため、個別に確認が必要です。
まとめ|遺産分割の前に公証役場と法務局も確認しましょう
遺言書が見つからないときは、自宅を探すだけでなく、公証役場と法務局への確認も大切です。
存在する可能性を残したまま遺産分割や名義変更を進めると、後から手続きを見直すことがあります。
横濱つきあかり法務事務所では、戸籍収集、遺言書の確認、遺産分割協議書、不動産の相続登記まで、状況に応じてご案内します。何から確認すべきか分からない方も、お早めにご相談ください。
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🖋この記事の監修者
司法書士・行政書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
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