自己破産の同時廃止と管財事件の違いは?費用・期間・判断基準を司法書士が解説
「自己破産を調べていたら、同時廃止と管財事件という言葉が出てきた」
「財産はほとんどないが、管財事件になって費用が高くならないか心配」
このような不安はありませんか?
結論からいうと、同時廃止になるか管財事件になるかは、本人が自由に選ぶものではなく、財産、借入れの経緯、免責について調査が必要かなどを踏まえて裁判所が判断します。
一般的に、処分・配当する財産がほとんどなく、詳しい調査を必要とする事情もない場合は、同時廃止となる可能性があります。
一方、一定の財産がある場合や、借金の使い道のほとんどがギャンブルなどの浪費、自営業の経験、財産の移動、特定の債権者だけへの返済など、破産管財人による確認が必要な場合は管財事件となることがあります。
この記事では、自己破産の同時廃止と管財事件の違い、判断に影響する事情、費用や期間、相談前の注意点を司法書士が分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- 同時廃止と管財事件の基本的な違い
- 管財事件になる可能性があるケース
- 費用や手続期間に違いが生じる理由
- 自己破産を相談する前に避けたい行動
- 司法書士へ相談するときに準備する資料

自己破産の同時廃止と管財事件とは
自己破産では、裁判所が申立人の財産や借金の状況を確認します。
そのうえで、破産管財人を選任して調査や財産の換価・配当を行う必要があるかが判断されます。
同時廃止は破産手続きの開始と同時に終了する手続
同時廃止とは、破産手続開始決定と同時に、破産手続を終了させる取扱いです。
債権者へ配当できるような財産がほとんどなく、破産管財人による調査を必要とする事情も見当たらない場合に選択されます。
そのため、破産管財人は選任されず、財産を換価して債権者へ配当する手続きも行われません。
ただし、破産手続きが終了しても、借金の支払義務を免除する「免責」の審理は別に続きます。同時廃止になれば必ず免責される、という意味ではありません。
管財事件では破産管財人が調査を行う
管財事件では、裁判所が破産管財人を選任します。
破産管財人は、申立人の財産、借入れの経緯、通帳の動き、財産処分の有無などを調査します。換価できる財産があれば、お金に換えて債権者へ配当することがあります。
なお、免責について問題となる事情がある場合は、その内容や現在の生活状況を調べ、裁判所へ意見を述べる役割も担います。
法律上、破産手続きは管財事件が原則で、同時廃止は一定の場合に認められる取扱いです。本人が「費用を抑えたいので同時廃止にしたい」と希望できるものではありません。
同時廃止と管財事件の違い
主な違いを整理すると、次のとおりです。
| 比較項目 | 同時廃止 | 管財事件 |
|---|---|---|
| 破産管財人 | 原則として選任されない | 選任される |
| 財産の調査・換価 | 管財人による換価・配当は行わない | 調査し、必要に応じて換価・配当する |
| 裁判所へ納める費用 | 管財事件より低い傾向 | 管財人の業務費用となる予納金が必要 |
| 手続期間 | 比較的短い傾向 | 調査内容により長くなる傾向 |
| 免責の審理 | 行われる | 管財人の調査・意見を踏まえて行われる |
実際の費用、必要書類、面談や債権者集会の回数、期間は、申立先の裁判所や個別事情によって異なります。
インターネットで見た金額や期間をそのままで自分のケースに当てはめず、借金や財産状況などを司法書士へ相談し確認をすることが大切です。
管財事件になる可能性がある主なケース
管財事件になるかは、単に借金額の大小だけで決まりません。次のような事情があると、破産管財人による調査が必要と判断される可能性があります。
一定の価値がある財産を持っている
不動産、自動車、預貯金、保険の解約返戻金、有価証券、退職金見込額などが確認対象になります。
本人名義でなくても、本人のお金で購入した財産や、家族名義の口座へ移したお金があれば、実質的な所有関係を確認されることがあります。
どの財産が処分対象になるかは、評価額や裁判所の運用などで変わります。名義だけで判断せず、すべて司法書士へ申告し相談してください。
個人事業・会社経営の経験がある
個人事業主や会社代表者は、売掛金、在庫、事業用設備、会社との貸し借り、税金、従業員への支払いなど、確認事項が多くなります。
また、現在は廃業していても、過去の事業状況や帳簿、確定申告書の確認が必要になる場合もあります。
財産処分や特定の人への返済がある
申立て前に車や不動産を安く売った、預金を家族へ移した、親族や勤務先からの借入れだけを返した、といった事情がある場合です。
これらは財産隠しや不公平な返済に当たらないかを調査される可能性があります。
既にやってしまった場合も、隠さずに経緯と使途を説明することが重要です。通帳、領収書、契約書などを残しておくようにしてください。
借入れの経緯に詳しい調査が必要である
多額のギャンブルや投資、浪費、換金目的のカード利用、返済できないと分かってからの借入れなどは、免責の判断に関係する可能性があります。
ただし、このような事情があるだけで、直ちに自己破産や免責が認められなくなるとは限りません。生活を立て直す姿勢や、事実を正確に説明しているかなども確認されます。
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管財事件になると費用と期間はどう変わる?
管財事件では、破産管財人が調査や換価などを行うため、その業務に充てる予納金が必要です。
そのため、一般的には同時廃止より裁判所へ納める費用が高くなります。具体的な金額は裁判所の運用や事案によって異なるため、依頼をする司法書士へ確認が必要です。
また、期間についても、財産の売却、取引履歴の確認、免責に関する調査などが必要になるほど長くなる傾向があります。
費用の準備が難しいからといって、財産や不利な事情を隠して同時廃止を目指すことは避けてください。後から判明すると、手続きや免責へ悪影響が出る可能性があります。
※免責不許可事由に該当すると判断されてしまうと、自己破産自体を認めてもらえない可能性もあるためです。
費用を一度に用意できない場合は、相談段階で収入、家賃、生活費、現在の返済額を伝え、申立てまでの準備方法を司法書士に確認しましょう。
同時廃止になるために財産を減らしてはいけない
自己破産前に預金を家族へ移したり、車を親族名義に変えたりしても、財産がなかったことにはなりません。
※裁判所は財産やお金の流れについて遡て確認をします。
むしろ、財産の移動理由を詳しく調査する必要が生じ、管財事件となる可能性や免責への影響を高めることがあります。
生活費、家賃、医療費など必要な支出まで一律に禁止されるわけではありませんが、高額な現金の引出しや財産処分をする前には必ず依頼している司法書士へ確認が必要です。
一部の債権者だけへ返済することも問題になります。返済を続けるか止めるかは自己判断せず、早めに相談してください。
相談時に準備すると判断しやすい資料
最初から完璧にそろえる必要はありません。まずは次の資料があると状況を整理しやすくなります。
- 借入先、残高、毎月の返済額が分かるもの
- 直近の給与明細や源泉徴収票
- すべての預金通帳、ネット銀行の取引履歴
- 保険証券と解約返戻金が分かる資料
- 車検証、不動産の登記事項証明書や査定資料
- 退職金見込額が分かる資料
- 財産を売却・送金した場合の契約書や領収書
- 個人事業をしていた方は確定申告書や帳簿
横濱つきあかり法務事務所では、借金だけでなく、収入、生活費、財産、借入れの経緯を確認し、自己破産・個人再生・任意整理のどれが状況に合うか整理します。
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よくある質問
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借金が多いと必ず管財事件になりますか?
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借金額だけで決まるわけではありません。財産の内容、借入れの経緯、事業経験、免責について調査が必要かなどを裁判所が総合的に判断します。
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財産がなければ必ず同時廃止になりますか?
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必ずではありません。財産が少なくても、財産移動、偏った返済、浪費や事業に関する調査が必要な場合は、管財事件になる可能性があります。
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同時廃止なら裁判所へ行かなくて良いですか?
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裁判所の運用や事案によって異なります。免責審尋などへの出席を求められる場合があるため、裁判所や書類作成を依頼した専門家の案内に従ってください。
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管財事件になると自己破産に失敗するのですか?
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管財事件になっただけで失敗するわけではありません。破産管財人の調査へ誠実に協力し、財産や借入れの経緯を正確に説明することが大切です。
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同時廃止か管財事件か、相談時に分かりますか?
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見通しを検討することはできますが、最終的に決めるのは破産の申し立てをする裁判所です。通帳、保険、車、不動産、退職金、過去の取引などを正確に伝えるほど、見通しは立てやすくなります。
まとめ|同時廃止・管財事件のどちらになるかを決めるのは申し立てをする裁判所です
自己破産の同時廃止と管財事件では、破産管財人の有無、裁判所費用、期間、財産調査の内容が異なります。
財産がほとんどなく、詳しい調査が不要であれば同時廃止となる可能性があります。一方、一定の財産、事業経験、財産移動、偏った返済、免責に関する調査事項がある場合は管財事件となることがあります。
どちらになるかを自分で選ぶことはできません。費用を抑えようとして財産を動かしたり、事情を隠したりせず、行動する前に司法書士へ相談することが重要です。
横濱つきあかり法務事務所では、現在の収入・財産・借入状況を確認し、自己破産を含む解決方法をご案内します。まだ延滞前でも無料相談をご利用いただけます。
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🖋この記事の監修者
司法書士・行政書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
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