給与収入があっても自己破産できる?返済不能と判断される目安を司法書士が解説
「毎月給料を受け取っているから、自己破産は認められないのではないか」
「返済は続けているが、生活費をカードで補っている」
このようなお悩みはありませんか。
結論からいうと、給与収入があっても自己破産を申し立てることはできます。判断の中心になるのは、無職か会社員かではなく、収入・財産・借金総額などを踏まえて、借金を継続して返済できない状態にあるかどうかです。
給料があっても、返済後に家賃や食費が残らない、別の借入れで返済している、完済までの見通しが立たない場合は、早めに返済方法を見直す必要があります。
この記事では、給与収入がある方でも自己破産を検討できる理由、返済不能と判断される目安、任意整理・個人再生との違いを分かりやすく解説します。

給与収入があっても自己破産できる
自己破産の手続では、借金を一般的・継続的に返済できない「支払不能」の状態にあるかが重要になります。
給与を受け取っているだけで、支払能力があると決まるわけではありません。手取り30万円でも、家族構成、住居費、医療費、借金総額、毎月の返済額によって家計の余力は異なります。
反対に、収入がそれほど高くなくても、借金額が少なく短期間で返せる場合には、自己破産以外の方法が適していることがあります。
大切なのは年収だけを見るのではなく、毎月の手取りから必要な生活費を差し引き、無理なく返済へ回せる金額で完済できるかを確認することです。
関連記事:自己破産で借金が免除される仕組み
返済不能と考えられる5つの目安
1.返済後に必要な生活費が残らない
返済をすると家賃、食費、光熱費、通勤費、医療費が不足する状態は、返済計画が家計に合っていません。
一時的な節約で乗り切れるかではなく、今後も継続できる家計かを考えます。子どもの進学、家賃更新、車検など、定期的な支出も忘れずに見込みましょう。
2.借金の返済を別の借入れで補っている
カードローンを返すために別のカードから借りる、クレジットカードの支払い後に生活費をキャッシングする状態は、自転車操業です。
返済日に間に合っていても、借金全体が減っていなければ、実質的には返済が行き詰まりつつあります。
3.利息を減らしても借金を返しきれない
任意整理では、将来利息のカットを交渉し、残った借金をおおむね3年程度で分割返済する方法が一般的です。
たとえば借金200万円を36回で返すと、将来利息を考えなくても毎月約56,000円が必要です。家計から毎月3万円しか出せないなら、任意整理での完済は難しい可能性があります。
関連記事:任意整理では返済できない場合の判断基準
4.完済までの見通しを数字で説明できない
「残業代やボーナスが入れば何とかなる」と考えていても、その収入が毎回保証されるとは限りません。
毎月いくら返し、何年で完済できるかを数字にできない場合は、今の返済を続けるだけでは解決しにくい状態です。
5.延滞・一括請求・差押えが近づいている
すでに延滞している、カードが停止された、一括請求や裁判所から書類が届いた場合は、対応を急ぐ必要があります。
給与差押えになると勤務先へ書類が届きます。会社に知られたくない方ほど、差押え前に相談することが重要です。
関連記事:給料や預金の差押えへの対処法
支払不能は借金額だけで決まらない
「借金がいくらなら自己破産できる」という全国共通の金額基準はありません。
同じ借金300万円でも、手取り50万円で家計に十分な余力がある方と、手取り25万円で扶養家族や高額な医療費がある方では、返済可能性が違います。
主に確認されるのは、次の事情です。
- 借金の総額と借入先
- 毎月の手取り収入
- 家族構成と必要な生活費
- 預貯金、不動産、自動車、保険などの財産
- 今後の収入増減の見込み
- 延滞や差押えの状況
- 借入れが増えた経緯と使い道
申立てでは給与明細、源泉徴収票、預金通帳、家計表などを提出し、家計全体を説明します。収入がある方ほど、「なぜ返済できないのか」を借金額と生活費の両面から正確に示すことが大切です。
給与があるなら個人再生を選ぶべき?
継続した収入があり、借金を法律上の基準に従って減額すれば返済できる方は、個人再生が候補になります。
個人再生では、原則として減額後の借金を3年、事情によっては5年で返済します。住宅ローン特則を利用できれば、住宅ローンを返しながら自宅を残せる可能性もあります。
ただし、個人再生には継続的な返済が必要です。減額後の返済額でも家計が赤字になる場合や、処分対象となる財産が少なく返済余力もない場合は、自己破産が生活再建に適していることがあります。
関連記事:個人再生で借金を減額する方法
給与収入がある方が自己破産前に注意すること
特定の借入先だけに返済しない
勤務先、家族、知人からの借入れだけを優先して返すと、債権者を平等に扱っていないとして手続で問題になる可能性があります。返済先を自分で選ぶ前に相談してください。
財産や収入を隠さない
給与口座、賞与、退職金見込額、保険、自動車なども正確に申告します。財産を家族名義へ移したり、通帳を提出しなかったりしてはいけません。
新たな借入れを増やさない
返済できないと分かりながら新たに借りると、免責の判断に影響する可能性があります。生活費が不足している段階で相談し、借入れを増やさない方法を検討しましょう。
関連記事:会社員の自己破産と仕事への影響
よくある質問
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正社員でも自己破産できますか?
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はい。正社員かどうかではなく、収入や財産を踏まえて借金を継続的に返済できない状態かが重要です。
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毎月返済できていても相談できますか?
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相談できます。別の借入れで返済している、返済後に生活費が不足する場合は、延滞前に見直すことが大切です。
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ボーナスで返せるなら自己破産できませんか?
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ボーナスの金額や継続性、借金総額によります。不確実な賞与だけに頼る計画ではなく、毎月の家計を基準に判断します。
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給与が高いと個人再生になりますか?
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必ず個人再生になるわけではありません。減額後の返済可能性、保有財産、家計、借金の原因などを含めて判断します。
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自己破産後も給料を受け取れますか?
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通常、手続後に働いて得る給与まで全額取り上げられるわけではありません。ただし申立時点の未払給与や預金残高は個別の確認が必要です。
まとめ|給料があっても返済の見通しがなければ相談を
給与収入があっても、借金を継続して返済できない状態であれば、自己破産を申し立てることは可能です。
判断するときは、年収や借金額だけでなく、必要な生活費、財産、家族構成、完済までの期間を確認します。任意整理の分割返済や個人再生の返済を続けられるかも比較しなければなりません。
横濱つきあかり法務事務所では、会社員の方の収入と家計を数字で整理し、任意整理・個人再生・自己破産のどれが現実的かをご案内します。
まだ延滞していない段階でも相談できます。返済後に生活費が残らない方、借入れで返済を補っている方は、無料相談をご利用ください。
🖋この記事の監修者
司法書士・行政書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
借金問題(債務整理)・相続手続きなどを中心に対応しています。






