住宅ローン返済中にカードローンが払えない方へ|自宅を残す個人再生の条件

「住宅ローンは払えているが、カードローンやリボ払いまで支払うと生活費が残らない」

「個人再生をすると、住宅ローンが残っている自宅も手放すことになる?」

このような不安はありませんか。

結論からいうと、一定の要件を満たして住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用できれば、住宅ローンを支払い続けながら、カードローンなど他の借金を個人再生で減額できる可能性があります。

ただし、住宅ローンそのものが減額される制度ではありません。また、自宅の名義、抵当権、住宅の利用状況、住宅ローンの滞納や保証会社による代位弁済の状況などによって、利用できるかが変わります。

この記事では、自宅を残す個人再生の基本条件、任意整理との違い、住宅ローン返済中の方が相談前に確認する項目を司法書士が分かりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 住宅ローン返済中でも個人再生を検討できる理由
  • 住宅資金特別条項を利用する主な条件
  • 住宅ローンとカードローンの扱いの違い
  • 任意整理と個人再生を選ぶ判断基準
  • 自宅を残すために早めに相談したい状況

住宅ローン返済中にカードローンが払えないときの選択肢

住宅ローンを優先して支払っているうちに、生活費をカードローンやクレジットカードで補い、残高が増えてしまうことがあります。

次の状態になっている場合、追加借入れだけで解決するのは難しくなっています。

  • 住宅ローンを払うとカードの返済資金が足りない
  • カードを返すために別のカードから借りている
  • ボーナス払いを前提にしなければ家計が回らない
  • リボ払いの残高と手数料が増え続けている
  • 固定資産税や管理費まで遅れそうになっている

住宅ローンを守るためにカードローンを借り続けても、その借金が減らなければ家計は改善しません。

延滞や差押えが進む前に、任意整理と個人再生の両方を比較することが大切です。

任意整理でカードローンを解決できる場合

任意整理では、カードローンやリボ払いについて将来利息の減免や分割回数の見直しを交渉します。

住宅ローンを任意整理の対象から外し、これまでどおり支払いながら、カードローンだけを整理できる場合があります。

たとえば、カードローンの借金が200万円で、将来利息を付けず60回で返済できるなら、単純計算の返済額は月約33,000円です。

住宅ローンと生活費に加えて、この金額を5年間支払えるのであれば、任意整理を検討できます。

ただし、任意整理では元金が大幅に減るとは限りません。カードローンが400万円、500万円と増えている場合は、利息を減らしても毎月の返済額が高くなります。

任意整理では返済できない場合に個人再生を検討する

個人再生は、裁判所へ申し立て、法律上の基準に従って借金を減額し、原則3年で返済する手続きです。特別な事情が認められる場合は、最長5年となることがあります。

継続的または反復して収入を得る見込みがあり、住宅ローンなどを除く借金が5,000万円以下であることなどが基本的な要件です。

個人再生では、カードローン、消費者金融、クレジットカードなどの一部だけを選んで外すことはできません。原則として、すべての債権者を申告します。

一方、住宅ローンについて一定の条件を満たす場合は、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用して別枠で支払いを続け、自宅を残せる可能性があります。

住宅資金特別条項とは

住宅資金特別条項は、個人再生の再生計画に住宅ローンの返済に関する特別な定めを置く制度です。「住宅ローン特則」と呼ばれることもあります。

利用できれば、カードローンなどは再生計画に基づいて減額後の金額を返済し、住宅ローンは原則としてこれまでの契約通りに支払い続けます。

つまり、住宅ローンの残高まで個人再生で5分の1程度になる制度ではありません。

住宅ローンの支払いと、個人再生後の返済を同時に続けられる家計であることが重要です。

自宅を残す個人再生の主な条件

住宅資金特別条項の利用可否は、契約書や登記事項証明書などを確認して判断します。主な確認事項は次のとおりです。

1.本人が所有し、生活の本拠として使う住宅であること

対象となるのは、原則として申立人本人が所有し、居住している建物です。

床面積の2分の1以上を本人の居住用として使っていることも確認します。店舗兼住宅や二世帯住宅などは、使用状況を個別に確認する必要があります。

投資用マンションや、本人が住んでいない別荘は通常の住宅資金特別条項の対象とは異なります。

2.住宅の購入・建築・改良のためのローンであること

住宅ローンが、本人の住宅の購入、建築、改良などのために借りた資金であるかを確認します。

不動産を担保にしていても、事業資金や生活費として借りた不動産担保ローンは、同じ扱いにならない可能性があります。

3.住宅ローンを担保する抵当権が設定されていること

住宅や敷地に、住宅ローンを担保する抵当権が設定されていることが基本です。

登記事項証明書を取得し、債権者、抵当権、共同担保の内容を確認します。

4.住宅ローン以外の借金を担保する抵当権がないこと

自宅に、事業資金やカードローンなど住宅ローン以外の債務を担保する抵当権が設定されていると、住宅資金特別条項を利用できない可能性があります。

借換えやおまとめ、不動産担保ローンを利用したことがある方は、契約名だけで判断せず登記内容を確認してください。

5.住宅ローンの滞納・保証会社の状況が手遅れになっていないこと

住宅ローンを滞納していても、直ちに利用できないと決まるわけではありません。

ただし、滞納が長期化し、保証会社が金融機関へ代位弁済した場合は、法律上の期限が問題になります。競売が進んでいる場合も、時間の余裕がありません。

督促状、期限の利益喪失通知、代位弁済通知、競売開始決定などが届いたら、書類を保管して早急に相談してください。

横濱つきあかり法務事務所

住宅ローンを滞納している場合の注意点

住宅資金特別条項を利用しても、住宅ローンの支払義務がなくなるわけではありません。

滞納分や遅延損害金をどのように解消するか、今後の支払いを続けられるかを住宅ローン債権者と調整する必要があります。

住宅ローンを支払うために固定資産税やマンション管理費を滞納すると、自宅を維持できない別の問題が生じます。

自宅を残すことだけを優先し、生活が再び赤字になる計画は避けなければなりません。

カードローンと住宅ローンが同じ銀行の場合

住宅ローンとカードローンを同じ銀行から借りている場合は、相談前に契約内容と預金口座の利用状況を確認してください。

受任通知や債務整理をきっかけに預金口座が一時的に利用しにくくなったり、預金と借金が相殺されたりする可能性があります。

給与振込口座、公共料金の引落口座、住宅ローンの返済口座が同じ場合は、変更の要否や返済方法を事前に検討します。

自己判断でカードローンだけを止める前に、司法書士へ銀行名、口座、保証会社を伝えてください。

自宅を残せるか確認するための7項目

相談時には、次の内容を確認します。

  1. 自宅と土地の名義
  2. 現在、自宅に誰が住んでいるか
  3. 住宅ローンの残高と毎月の返済額
  4. 住宅ローンの滞納の有無
  5. 登記されている抵当権の内容
  6. カードローンなど住宅ローン以外の借金総額
  7. 手取り収入、生活費、個人再生後に返済できる金額

住宅ローン契約書、返済予定表、登記事項証明書、カードローンの明細、給与明細などがあると確認が進みやすくなります。

すべてそろっていなくても相談はできます。まずは分かる範囲で住宅ローンとその他の借金を分けて書き出してください。

任意整理と個人再生のどちらを選ぶ?

任意整理は、住宅ローンを対象から外しやすく、裁判所へ財産資料を提出しない点が特徴です。

借金を3年から5年程度で返せる見込みがあれば、任意整理が適する可能性があります。

一方、任意整理では毎月の返済額が高すぎるものの、住宅ローンと減額後の借金は返せる場合、個人再生を検討します。

個人再生では、財産の価値や可処分所得などによって返済総額が変わります。また、申立費用や書類準備の負担も任意整理より大きくなります。

「自宅を残せるか」だけでなく、「残した後も住宅ローン、税金、修繕費を支払えるか」まで確認して選びましょう。

よくある質問

住宅ローン返済中でも個人再生できますか?

一定の要件を満たせば可能です。住宅資金特別条項を利用できる場合は、住宅ローンを別枠で支払い続けながら、カードローンなどを個人再生で整理できる可能性があります。

個人再生をすると住宅ローンも減額されますか?

住宅ローン自体は原則として減額されません。自宅を残す場合は、個人再生後の返済とは別に住宅ローンを契約通りに支払い続ける必要があります。

住宅ローンを滞納していても自宅を残せますか?

滞納があっても直ちに不可能とは限りません。ただし、代位弁済や競売が進むと法律上の期限が問題になるため、通知が届いた時点で早急に確認が必要です。

カードローンだけを個人再生から外せますか?

原則として外せません。個人再生では、カードローン、クレジットカード、知人からの借入れなど、すべての債権者を申告する必要があります。

ペアローンでも住宅資金特別条項を利用できますか?

利用できる可能性はありますが、単独ローンより確認事項が増えます。持分、抵当権、双方の債務、夫婦のどちらが個人再生をするかによって異なるため、契約書と登記を確認する必要があります。

まとめ|住宅ローンを遅らせる前に個人再生を検討する

住宅ローン返済中にカードローンが払えなくなっても、直ちに自宅を諦めなければならないとは限りません。

カードローンの返済が出来るなら、住宅ローンを対象から外して任意整理をする方法があります。

任意整理で返済できない場合は、一定の要件を満たして住宅資金特別条項を利用し、住宅ローンを支払いながら個人再生する方法を検討できます。

ただし、住宅ローン自体は原則として減額されません。また、自宅の名義、抵当権、利用状況、滞納、代位弁済などによって結果が異なります。

カードローンを優先して住宅ローンまで滞納する前に、契約書と家計を確認しましょう。

自宅を残す債務整理について無料相談する

住宅ローンの返済は継続できているものの、カードローンやリボ払いの返済が難しい方は、延滞する前にご相談ください。

横濱つきあかり法務事務所では、借金問題の無料相談を受け付けています。

自宅の名義、住宅ローン、抵当権、その他の借金、家計を確認し、任意整理で解決できるか、個人再生を検討すべきかを整理します。

資料がすべてそろっていない段階でも構いません。

🖋この記事の監修者
司法書士・行政書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
借金問題(債務整理)・相続手続きなどを中心に対応しています。

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