個人再生は共働きでもできる?配偶者の収入・家計資料・返済計画の注意点を司法書士が解説
「共働きなので、個人再生をすると妻や夫の収入まで返済に充てることになるのだろうか」
「配偶者に借金がなくても、給与明細や通帳を提出しなければならないのか」
このような不安はありませんか?
結論からいうと、共働きであることを理由に個人再生ができなくなるわけではありません。申立人に継続的な収入があり、再生計画に沿った返済を続けられる見込みがあれば、個人再生を検討できます。
ただし、裁判所は世帯全体の家計を確認しますので、同居する配偶者の収入や、住宅費・生活費の分担状況を示す資料が必要になることがあります。
配偶者の収入がそのまま申立人の借金返済額になるわけではありませんが、実際の家計を隠さず、無理のない返済計画を作ることが重要です。
この記事でわかること
- 共働きでも個人再生を利用できる条件
- 配偶者の給与明細や通帳が必要になる場面
- 配偶者に返済義務が生じるか
- 住宅ローンや生活費を含む家計の作り方
- 家族に知られず進めることが難しい理由

共働きでも個人再生を利用できる
個人再生では、住宅ローンを除く借金が原則5,000万円以下で、将来にわたり継続的または反復して収入を得る見込みがあることなどが必要です。
申立人本人が会社員で毎月給与を受け取っている場合、収入の安定性は重要な判断材料になります。配偶者も働いていることは、家計全体の安定性を説明するうえでプラスになります。
一方で、世帯収入が多く見えても、住宅ローン、家賃、保育料、教育費、医療費などが高ければ、自由に返済へ回せる金額は限られます。
借金額だけでなく、毎月いくらなら3年間継続して返済できるかを確認します。
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配偶者は個人再生をする本人の借金を返す義務はない
夫婦であっても、一方が単独で契約したカードローンやクレジットカードについて、もう一方が当然に返済義務を負うわけではありません。
ただし、配偶者が保証人や連帯保証人になっている借金、夫婦の共同名義の借入れなどは別です。契約内容を確認する必要があります。
個人再生をしたことだけで、配偶者本人の信用情報に事故情報が登録されるわけでもありません。ただし、家族カードや共同ローン、保証契約には影響する可能性があります。
「配偶者名義だから関係ない」と決めつけず、家族に関係する契約を相談時に整理しましょう。
なぜ配偶者の収入に関する資料が必要になるのか
世帯の家計収支を確認するため
個人再生では、申立人が再生計画に基づく返済を続けられるかを確認します。そのため、家計収支表を作り、世帯に入る収入と生活費を裁判所へ説明します。
共働き世帯では、配偶者の給与が家賃や食費、光熱費に使われていることが一般的ですので、配偶者の収入を一切記載しないと、生活費をどのように負担しているか説明ができません。
裁判所の運用、世帯状況によって、配偶者の給与明細、源泉徴収票、通帳の写しなどを求められることがあります。
配偶者の財産を処分するためではない
資料を提出する目的は、配偶者の財産を返済へ充てるためではありません。
名義上・実質上のどちらも配偶者固有の預金や車は、通常、申立人本人の財産とは区別して考えます。ただし、申立直前に本人の預金を配偶者口座へ移した場合(財産を不当に処分したり隠したり)や、財産の名義と購入資金の負担者が異なる(申立人のお金を使って配偶者名義の財産を購入した)場合は、その理由について裁判所に対し詳しい説明が必要です。
共働き世帯の返済可能額を考える方法
毎月の返済可能額は、世帯収入の合計から機械的に決めるものではなく、次の順序で考えます。
- 夫婦それぞれの手取り収入を確認する
- 住宅費、食費、光熱費、教育費などを実額で記録する
- 年払いの税金や保険料を月額で計算する
- 車検、学費、更新料など臨時支出を見込む
- 残った金額のうち継続して返済できる金額を判断する
ボーナスを全額返済に回す計画は、減額や不支給があったときに崩れやすく危険です。毎月の給与を基本として計画し、余裕を持たせることが大切です。
住宅ローンがある場合
住宅資金特別条項を利用できれば、住宅ローンを支払いながら他の借金を個人再生で整理できる可能性があります。
共働きで住宅ローンをペアローンにしている、配偶者が連帯債務者になっている場合は、一般的な単独ローンより確認事項が増えますので、登記名義、抵当権、ローン契約を早めに確認し、司法書士へ相談してください。
配偶者に内緒のまま進められるか
法律上、配偶者の同意が一律に個人再生の要件となっているわけではありません。
しかし、同居する配偶者の収入資料、家計資料、住宅ローン関係書類などが必要になれば、完全に内緒のまま進めることは難しくなります。
なお、書類を無断で持ち出したり、収入を少なく記載したりしてはいけません。申立内容の正確性に疑問を持たれ、手続きが遅れる原因になる可能性があるためです。
個人再生手続きを取ることを配偶者へ伝える時期や説明方法に不安がある方は、ぜひ司法書士へ相談してください。借金額、返済見込み、住宅や配偶者への影響を整理してから話すことで、協力を得やすくなることがあります。
相談前に準備したい資料
- 申立人と配偶者の給与明細
- 源泉徴収票や課税証明書
- 世帯の通帳
- 住宅ローンや家賃の資料
- 保険料、教育費、医療費の資料
- 借入先と残高の一覧
- 車、保険、退職金見込額などの財産資料
最初の相談ですべて揃っていなくても構いません。手元にある資料から、追加で必要なものを確認します。
よくある質問
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配偶者の収入も返済額の計算に含まれますか?
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配偶者の収入がそのまま返済額になるわけではありません。世帯の家計と返済継続の見込みを確認する資料として使用します。
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配偶者の給与明細は必ず必要ですか?
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必要書類は申し立てをする裁判所の運用方法や世帯状況で異なりますので必ず必要とは断言できません。しかし、同居して家計を共通にしている場合は提出を求められることがあります。
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配偶者名義の預金も処分されますか?
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配偶者固有の財産が当然に処分されるわけではありません。ただし、実質的に本人の財産ではないか確認される場合があります。
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共働きなら個人再生が認められやすいですか?
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収入の安定性を説明しやすい面はありますが、それだけで認められるとは限りません。借金額、財産、家計、返済計画を総合して判断されます。
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配偶者に内緒で相談できますか?
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相談自体は可能です。ただし、手続では配偶者の資料や協力が必要になることがあるため、申立をする裁判所や世帯状況によっては秘密のまま手続きを完了できるとは限りません。
まとめ|配偶者の収入よりも返済を継続できる世帯状況かが重要
共働きでも個人再生は利用できます。また、配偶者の収入が本人の借金返済に自動的に充てられるわけではありません。
一方で、再生計画を履行できるか判断するため、世帯全体の収入と支出を示す必要があります。夫婦の生活費負担、住宅ローン、教育費などを含め、現実的な家計表を作り裁判所へ提出しましょう。
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🖋この記事の監修者
司法書士・行政書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
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