受任通知とは?司法書士に依頼するといつ督促が止まる?相談後の流れをわかりやすく解説

借金の督促が続くと、電話や郵便が来るたびに不安になりますよね。

結論からいうと、受任通知とは、司法書士が「依頼を受けて窓口になります」と債権者へ知らせる通知です。消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者は、法律専門家からの受任通知を受け取ると、原則として本人へ直接取立て(電話や書面、メールなどでの請求)できなくなります。もっとも、相談しただけですぐ止まるわけではなく、正式な依頼と受任通知の送付・相手方での受領が前提です。

この記事では、受任通知の意味、督促が止まるタイミング、司法書士に相談した後の一般的な流れを、初めての方にもわかりやすく解説します。


受任通知とは何か

受任通知は「これからは専門家が窓口になります」という通知

受任通知は、債務整理の依頼を受けた司法書士や弁護士が、債権者に対して送る通知です。内容としては、依頼を受けたこと、今後の連絡窓口、取引履歴の開示を求めることなどが含まれるのが一般的です。日本貸金業協会の自主規制基本規則でも、法律家からの通知として「債務整理等に係る受任の通知」を受ける方法が示されており、受任通知が債務整理の実務で用いられていることが確認できます。

司法書士に依頼すると、いつ督促が止まるのか

よくある誤解ですが、督促が止まるのは「相談した瞬間」ではありません。
原則として、正式に依頼し、司法書士が受任通知を送り、その通知を貸金業者が受け取った時点で、本人に対する直接の取立てができなくなります。金融庁の多重債務者相談マニュアルでも、法律専門家が依頼を受けた場合には受任通知が送付され、貸金業者はそれを受け取った時点から取立てができなくなると説明されています。

そのため、「相談はしたけれど、まだ正式依頼前」という段階では、督促が続くことがあります。反対に、正式依頼後は、相手方が通知を確認できれば、本人への電話や郵送の督促は止まるのが基本です。

司法書士に相談した後の一般的な流れ

1. 借金及び相談者の状況を確認する

最初の相談では「どこからいくら借りているか」だけでなく、相談者の「毎月の収入」「生活費」「家族状況」「今後の返済見込み」など、本人名義の借金に対してどのような解決方法が適しているかを確認します。

この段階で、借金に対する家計の収支的に判断して任意整理が向いているのか、返済が困難な場合は自己破産、住宅ローンの支払い中の家を残してそれ以外の借金問題を解決したい場合は個人再生を検討した方がよいのかなど、大まかな方向性を整理していきます。

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2. 業務範囲と費用の説明を受ける

司法書士会の指針では、依頼を受ける際に、業務の内容と範囲を明確にし、契約書を作成し、費用や算定方法を説明することが求められています。さらに、資力要件に該当する場合には、法テラスの民事法律扶助制度の説明も行うこととされています。つまり、きちんとした事務所であれば、何をどこまで依頼できるのか、費用はいくらか、支払方法はどうなるかを相談段階で確認できます。

費用面が不安な方は、この時点で遠慮せずに確認することが大切です。無理のない支払い方法を相談できる場合もあります。

3. 正式に依頼すると受任通知が送られる

方針と費用に納得できれば、正式に依頼をします。受任後は、債権者へ受任通知を送付し、以後の窓口を司法書士に一本化していきます。また、日本貸金業協会の規則でも、認定司法書士からの受任通知に基づいて、取引履歴の開示請求に対応する仕組みが示されています。

つまり、受任通知には「督促を止める」意味だけでなく、正確な債務額や取引内容を確認するためのスタートラインという意味もあります。

4. 取引履歴を取り寄せ、解決方針を固める

受任通知の後は、各債権者から取引履歴を取り寄せ、残高や取引状況を確認します。そのうえで、分割交渉を進めるのか、裁判所を使う手続(自己破産や個人再生)を選ぶのかを判断していきます。金融庁の資料でも、債務整理を進める際には、銀行や個人からの借入も含めて全ての債務額を明らかにする必要があるとされています。

そのため、相談時には「一部だけ伝える」のではなく、借入先をできるだけ全部伝えることが大切です。隠れた債務があると、適切な方針が立てにくくなります。
※債務整理は相談者の申告に基づき借入先への債権調査(借金の残高、利息、借入時期、返済時期など)を行い、その調査の結果に適した解決方法を進めるため、申告漏れや意図的に申告をしない借入先があった場合はその借入先の借金は自己破産をしても返済義務が無くなりませんので、専門家へ依頼をした後に判明した(思い出した)借り入れが有る場合は必ず申告をするようにしましょう。

受任通知で期待できること・注意したいこと

精神的な負担を軽くできる

受任通知の大きなメリットは、貸金業者からの直接督促が止まることで、落ち着いて今後の生活再建を考えやすくなることです。督促に追われていると、目の前の支払いに気を取られ、根本的な解決策を選びにくくなります。まず連絡の窓口を専門家に移すことで、冷静に整理しやすくなります。

ただし、すべてが自動で解決するわけではない

受任通知はとても大切な手続ですが、通知を送ればそれだけで借金問題が終わるわけではありません。 その後に、任意整理・自己破産・個人再生など、状況に合った具体的な方法を進めて解決する必要があります。また、記事中でいう「督促が止まる」は、まず貸金業者からの直接取立てを中心に考える必要があり、対象範囲は個別事情によって異なります。

司法書士に相談するメリット

司法書士に相談するメリットは、督促対応だけではありません。
相談の段階で、借金の総額、家計、財産状況を整理し、生活再建まで見据えて進められる点が大きな利点です。司法書士会の指針でも、債務整理事件は単なる交渉ではなく、依頼者の生活再建を目指すものとされています。

相談前に準備しておくとスムーズなもの

相談時には、司法書士が債務・資産・収入・生活状況を把握する必要があります。そこで、次のような資料があると話が進みやすくなります。

  • 借入先がわかるもの
  • 督促状や請求書
  • カードや契約書
  • 給与明細や収入がわかる資料
  • 家計の状況がわかるメモ
  • 通帳やローン返済予定表

全部そろっていなくても、相談できないわけではありません。足りないものは後から補えば大丈夫です。

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まとめ

受任通知とは、司法書士が債務整理の依頼を受けたことを債権者へ知らせる通知です。

そして、司法書士に依頼した場合に督促が止まるタイミングは、相談した時ではなく、正式依頼後に受任通知が送られ、貸金業者がそれを受け取った時点が原則です。
その後は、取引履歴を確認し、任意整理・自己破産・個人再生などの具体的な方針で解決します。

「もう電話に出たくない」
「このまま放置して大丈夫か不安」
「自分はどの手続が合っているのかわからない」

このような状態であれば、早めに専門家へ相談することが大切です。早めに状況を整理できれば、選べる解決策も広がります。


督促や請求が続いて不安な方は、ひとりで抱え込まず、まずは現在の状況をご相談ください。
受任通知を送るべき段階か、任意整理・自己破産・個人再生のどれが適しているかを、状況に応じて整理することが大切です。

「まだ依頼するか決めていない」という段階でも大丈夫です。
早めの相談が、生活を立て直す第一歩になります。

🖋この記事の監修者
司法書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
借金問題(債務整理)・相続手続きなどを中心に対応しています。

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