借金総額が140万円を超えても司法書士に任意整理を依頼できる?「1社ごと」の基準を解説

「借金が全部で200万円を超えているから、司法書士には任意整理を依頼できない?」

「司法書士が扱えるのは140万円までと聞いたが、複数社から借りている場合はどうなるのだろう」

このような疑問から、相談をためらっていませんか。

結論からいうと、借金の総額が140万円を超えていても、司法書士へ任意整理を依頼できる可能性があります。

認定司法書士が任意整理の交渉を代理できる範囲は、すべての借金を合計した金額ではなく、原則として「個別の債権ごとの価額」で判断されるためです。

たとえば、3社から100万円ずつ借りている場合、借金総額は300万円です。しかし、各社の債権がそれぞれ140万円以下であれば、認定司法書士が任意整理の交渉を代理することができます。

この記事では、任意整理における「140万円」の意味と、1社だけ基準を超える場合の対応を解説します。

この記事でわかること

  • 借金総額が140万円を超えても司法書士へ相談できる理由
  • 「1社140万円」と「個別の債権ごと」の違い
  • 請求総額に利息や遅延損害金が含まれている場合の140万円の判断方法
  • 司法書士へ任意整理を依頼できるケースと難しいケース
  • 1社だけ140万円を超える場合の選択肢
  • 借金額が正確に分からない場合の相談方法

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任意整理の「140万円」は借金総額ではなく個別に判断する

任意整理は、裁判所を利用せず、債権者と返済条件について話し合う手続です。認定司法書士は、一定の範囲で依頼者の代理人として和解交渉を行えます。その基準の一つが「140万円」です。

複数社の借金をすべて合計するわけではない

平成28年6月27日の最高裁判決では、認定司法書士が裁判外の和解を代理できる範囲について、債務整理の対象となる「個別の債権ごとの価額」を基準に判断する考え方が示されました。

そのため、A社、B社、C社の合計額ではなく、それぞれの個別の債権が140万円以下かを確認します。分かりやすく「1社あたり140万円以下」と説明されることが多いのは、このためです。

「認定司法書士」であることが必要

すべての司法書士が任意整理の代理交渉を行えるわけではありません。

債権者との和解交渉を代理するには、簡裁訴訟代理等関係業務を行うための法務大臣の認定を受けた「認定司法書士」であることが必要です。

当事務所の司法書士は認定を受けております。
簡易訴訟代理関係業務認定番号 第201234号 小林信之介

個人再生・自己破産には「1社140万円」の制限はない

ここまで説明した「1社140万円以下」という制限は、認定司法書士が任意整理の代理人として、債権者と裁判外の和解交渉を行う場合の基準です。

個人再生や自己破産は借入先との交渉ではなく裁判所に対する手続きのため、司法書士が裁判所へ提出する申立書などの書類作成を支援する場合には、この140万円の金額制限はありません。

そのため、借金総額や1社当たりの借金が140万円を超えていても、個人再生・自己破産について司法書士へ相談することはできます。

借金総額が140万円を超える3つの具体例

数字で見ると、判断の違いが分かりやすくなります。

ケース1:3社合計240万円で、すべて140万円以下

  • A社:100万円
  • B社:80万円
  • C社:60万円
  • 合計:240万円

借金総額は140万円を超えていますが、各社の債権はいずれも140万円以下です。ほかの条件にも問題がなければ、認定司法書士が3社の任意整理を代理できます。

ケース2:合計240万円だが、1社だけ160万円

  • A社:160万円
  • B社:50万円
  • C社:30万円
  • 合計:240万円

この場合、認定司法書士はA社について任意整理の代理交渉を行うことができません。B社とC社は、金額だけを見れば代理権の範囲に入ります。

どの借入先を対象にするかは、金額だけでなく、毎月の返済可能額、住宅ローン、自動車ローン、保証人の有無なども含めて判断します。

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ケース3:同じ会社に複数の利用残高がある

同じカード会社に、ショッピング、キャッシング、カードローンなど複数の残高があるケースもあります。

この場合、「画面上で利用枠が分かれているから別の借金」とは限りません。

契約内容や債権の成り立ちによって確認方法が変わるため、明細や契約書を司法書士へ相談し確認しましょう。

140万円を判断するときに確認したい5つの注意点

1.借入時の金額ではなく現在の残高を確認する

最初に200万円を借りていても、返済が進み、現在の残借金が100万円になっていることがあります。反対に、利用限度額が100万円でも、同じ会社の別契約が残っている場合があります。

一般的には残借金が重要な目安ですが、実際の代理権の範囲は取引履歴や債権の内容を確認して判断します。

2.140万円は利息・遅延損害金を除いた残元金で判断する

140万円の上限を確認するときは、請求書などに記載された合計額だけを見るわけではありません。

利息や遅延損害金が元金の請求に付随する場合は、原則として、それらを除いた残元金を基準に判断します。

たとえば、次のようなケースです。

内訳金額
残元金130万円
利息・遅延損害金20万円
請求総額150万円

この場合、請求総額は140万円を超えていますが、残元金は130万円です。

そのため、金額の基準だけを見れば、認定司法書士が任意整理の代理交渉を行える範囲に入ります。

利息や遅延損害金が増えた結果、請求総額が140万円を超えたとしても、そのことだけで直ちに認定司法書士へ依頼できなくなるわけではありません。

ただし、請求の内訳や契約内容によって判断が変わることがあります。残元金が140万円に近い場合は、最新の利用明細や取引履歴を確認したうえで個別に判断します。

3.140万円ちょうどは金額だけなら範囲内

司法書士法上の基準は「140万円を超えない」範囲です。

そのため、個別の債権の価額が140万円ちょうどなら、金額だけを見れば代理権の範囲内です。ただし、140万円に近い場合は最新の資料で確認しましょう。

4.経済的利益が140万円以下でも依頼できるとは限らない

「交渉によって減る利息が30万円だから140万円以下」とは判断できません。基準になるのは、任意整理による利益ではなく、対象となる個別の債権の価額です。

5.140万円以下でも任意整理が適するとは限らない

代理権の範囲内であることと、任意整理で無理なく解決できることは別の問題です。

次のような事情がある場合は、個人再生や自己破産を検討した方が良いことがあります。

  • 将来利息をなくしても借金を3年程度で返せない
  • 手取り収入から借金の返済額を差し引くと生活費が不足する
  • 借金返済のために別の会社から借りている
  • 滞納が続き、裁判所から書類が届いている
  • 住宅を残したいが、任意整理では返済額が高すぎる

たとえば、各社の借金が140万円以下でも、5社合計で500万円あり、毎月返済できる金額が3万円程度であれば、任意整理での完済は難しい可能性があります。

大切なのは「司法書士が代理できる金額か」だけでなく、「和解後の返済を最後まで続けられるか」です。

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1社だけ140万円を超える場合はどうする?

1社だけ140万円を超えている場合は、次の選択肢を検討します。

140万円以下の借入先だけ司法書士へ依頼できるか検討する

140万円以下の借入先だけ司法書士へ依頼する方法も考えられます。ただし、返済計画や手続が複雑になることがあるため、すべての借入先を伝えたうえで現実的に返済可能か、借金問題の解決につながるかを司法書士に判断してもらいましょう。

個人再生や自己破産を検討する

借金総額が大きく、任意整理では借金を返しきれない場合は、個人再生や自己破産が適している可能性があります。

個人再生は、裁判所を利用して借金の減額を目指し、減額後の金額を原則3年で返済する手続です。住宅ローンのある自宅を残せる可能性があることも特徴です。

自己破産は、返済を続けることが難しい場合に、裁判所から免責許可を受けることで、対象となる借金の支払義務を免除してもらうことを目指す手続です。

借金額が正確に分からなくても無料相談はできる

相談前に、すべての借入先と残高を正確に調べなければならないわけではありません。

まずは、分かる範囲で次の情報を整理しましょう。

  • 借入先の会社名
  • おおよその残高
  • 毎月の返済額
  • 現在の手取り収入
  • 住宅ローンや自動車ローンの有無
  • 保証人が付いている借金の有無
  • 滞納、裁判、差押えの有無

正確な残高が分からなくても、カード、請求書、通帳、アプリ画面などが手掛かりになります。

横濱つきあかり法務事務所では、借金問題の無料相談を受け付けています。現在の借入状況を確認し、司法書士が任意整理を代理できる範囲か、個人再生や自己破産を含めて別の方法を考えるべきかをご案内します。

よくある質問

借金総額が300万円でも司法書士に任意整理を依頼できますか?

各社の個別の債権がそれぞれ140万円以下であれば、認定司法書士が任意整理の代理交渉を行えます。借金総額300万円という数字だけで決まるわけではありません。ただし、任意整理後の返済を続けられる収入があるかが重要です。

1社の残高が140万円ちょうどなら依頼できますか?

金額だけを見れば、「140万円を超えない」ため代理権の範囲内です。ただし、手元の残高と実際の債権額が異なる場合もあるため、最新の明細や取引履歴で確認する必要があります。

最初は200万円借りていても、残高が140万円以下なら相談できますか?

相談できます。借入当初の金額だけで判断するのではなく、現在の残元金や債権の内容を確認します。140万円に近い場合は、資料を確認してから正式な対応範囲を判断します。

同じカード会社のショッピングとキャッシングは別々に計算しますか?

契約や債権の内容によって判断が変わる可能性があります。アプリ上で枠が分かれているという理由だけで、別々の債権だと決めることはできません。カードの利用明細や契約内容を確認してもらいましょう。

1社だけ140万円を超えていたら、ほかの会社も依頼できませんか?

ほかの会社の債権が140万円以下であれば、金額だけを見れば司法書士が対応できます。ただし、すべての借金を解決する方法として、依頼できる借入のみを任意整理するのが良いか、個人再生・自己破産が適していないかを検討することも大切です。

まとめ

借金総額が140万円を超えていても、それだけで司法書士へ任意整理を依頼できなくなるわけではありません。

認定司法書士の代理権は、原則として債務総額ではなく、個別の債権ごとの価額で判断します。

確認したいポイントは次のとおりです。

  • 複数社の借金は、すべての合計額だけで判断しない
  • 各社の個別の債権が140万円以下かを確認する
  • 元金の請求に付随する利息・遅延損害金は原則として含めず、残元金を基準に確認する
  • 1社だけ140万円を超える場合は、その会社についてのみ司法書士は代理交渉できない
    ※債権調査の結果金額が少なくなったことで代理交渉できることもありますので、迷われている方は無料相談をご利用ください。
  • 借金が140万円以下でも、返済能力によっては任意整理以外の方法が適する
  • 正確な残高が分からない段階でも相談できる

借入先ごとの残高、毎月の返済額、手取り収入を確認すると、任意整理で解決できるかを判断しやすくなります。

合計額だけを見て相談を諦めず、まずは現在の状況を専門家へ伝えてください。

無料相談のご案内

「借金総額が140万円を超えているが、司法書士へ依頼できるか知りたい」

「1社だけ残高が大きく、任意整理と個人再生のどちらがよいか分からない」

「毎月返済しているが、完済できる見通しが立たない」

このような方は、横濱つきあかり法務事務所へご相談ください。

司法書士が借入先、残高、収入、毎月払える金額を確認し、任意整理で対応できる範囲と、無理のない解決方法をご案内します。

まだ延滞していない段階でもご相談いただけます。LINE・電話・メールから無料相談をご利用ください。

🖋この記事の監修者
司法書士・行政書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
借金問題(債務整理)・相続手続きなどを中心に対応しています。

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