ギャンブル・浪費の借金でも個人再生できる?自己破産との違い・申立ての注意点を司法書士が解説

「パチンコや競馬で借金が増えたので、自己破産は認められないかもしれない」

「仕事と収入はあるため、個人再生で返済を立て直せないだろうか」

このように悩んでいる方は、相談前から諦める必要はありません。

結論からいうと、ギャンブルや浪費が借金の原因でも、個人再生を利用できる可能性があります。

個人再生には、自己破産における「免責不許可事由」と同じ仕組みはありません。

ただし、借金の原因を隠して良いわけではありません。申立て後もギャンブルを続けて家計が赤字であれば、再生計画に沿った返済を続けられるのかと裁判所より疑問を持たれる可能性があります。

収入、借金総額、財産、家計、最近の取引を正直に整理し、現実的な返済計画を立てることが重要です。

この記事でわかること

  • ギャンブルの借金でも個人再生を検討できる理由
  • 自己破産の免責との違い
  • 個人再生で重視される収入と家計
  • 申立て前にやめるべき行動
  • 相談時に準備したい資料
横濱つきあかり法務事務所

ギャンブルの借金でも個人再生を検討できる

個人再生は、裁判所の手続きを利用して借金を法律上の基準に沿って減額し、原則3年、特別な事情がある場合は最長5年で返済する手続きです。

裁判所の案内では、継続して収入を得られる見込みがあり、法律上の基準で計算する債務総額が5,000万円以下であることなどが、利用条件として示されています。

住宅ローンを除く債務額、収入、財産、家計などを確認し、小規模個人再生または給与所得者等再生を検討します。

借金の使い道がギャンブルだったという一事だけで、直ちに個人再生を利用できないと決まるわけではありません。

自己破産との違い

自己破産では、浪費やギャンブルによって著しく財産を減らしたことなどが、免責不許可事由となる可能性があります。

もっとも、免責不許可事由があっても、事情により裁判所の裁量で免責が認められる場合があります。ギャンブルの借金だから自己破産が必ず不可能という意味ではありません。

一方、個人再生は、借金を免除してもらうのではなく、減額後の金額を継続して返済する手続きです。

そのため、借金の原因だけでなく、今後の返済を続けられる収入と家計があるかが重要です。

関連動画:ギャンブルの借金と自己破産

個人再生で特に確認される3つのポイント

1.継続した収入があるか

会社員、一定の条件を満たすパート・アルバイトなど、継続した収入を得られる見込みがある方は、個人再生を検討できます。

給与所得者等再生では、給与などの定期的な収入があり、金額の変動幅が小さいと見込まれることも必要です。

残業代やボーナスがなければ返済できない計画は、途中で行き詰まるおそれがあるため、少ない月の手取りでも返せるかを確認します。

2.ギャンブルをやめて家計を改善できるか

個人再生は、認可を受けて終わりではありません。その後、再生計画に沿った返済を続ける必要があります。

申立て準備中もギャンブルを続け、生活費が不足して新たな借入れをしている状態では、計画どおり返せる見込みがあると裁判所に説明をするのが難しくなります。

ギャンブル関連のアプリや口座を整理し、現金の管理方法を見直し、家計表で収支を確認します。ギャンブル依存が疑われる場合は、医療機関や相談機関の利用も検討してください。

関連動画:個人再生で返済できる家計の考え方

3.借金と取引履歴を正直に説明できるか

ギャンブルに使った借金だけを債権者一覧から外したり、家族に知られたくない借入先を隠したりしてはいけません。

カードローン、クレジットカード、後払い決済、親族・知人からの借金などを確認し、原則としてすべて申告します。

通帳、カード明細、電子マネー、暗号資産口座などに大きな入出金がある場合は、使途の説明を求められることがあります。

不利に見える事実ほど、後から発覚する前に司法書士へ伝えてください。

個人再生の申立て前に避けたい行動

返済のために新たな借入れをする

今月の返済を乗り切るために別のカードで借りると、借金総額が増えます。

返済できる見込みがないと分かりながら借りたと疑われる借り入れがあると、裁判所に対して詳しい説明が必要になる可能性があります。

クレジットカードを現金化する

商品やギフト券をカードで購入し、換金して返済やギャンブル資金に充てる行為は避けてください。

手元に残る金額が購入額より少なく、借金だけが増えます。取引履歴から確認される可能性もあります。

親族や一部の会社だけに返済する

迷惑をかけたくないという理由で、親族や特定の借入先だけへ優先して返すことも避けるべきです。

個人再生では債権者を平等に扱うことが基本です。返済を止める時期は自己判断せず、依頼した司法書士の案内に従ってください。

財産や収入を隠す

預金、保険、自動車、退職金見込額、不動産などの財産は、返済総額を決める清算価値に影響することがあります。

家族名義へ移したり、口座を隠したりせず、現在の状態をそのまま伝えましょう。

個人再生で返済額はどう決まる?

個人再生の返済総額は、借金額だけで決まるわけではありません。

法律上の最低弁済額、保有財産の清算価値などを確認します。給与所得者等再生では、可処分所得を基準とする金額も関係します。

たとえば、預金、保険の解約返戻金、車、退職金見込額などが多いと、借金額だけから想定した金額より返済総額が高くなることがあります。

さらに、毎月の生活費を差し引いて返済原資を確保できるかを確認します。

「借金が何分の一になるか」だけで判断せず、実際の家計で完済できる計画かを見ることが大切です。

小規模個人再生では債権者の意向にも注意する

小規模個人再生では、再生計画案について債権者の書面決議があります。

債権者数の半数以上、または議決権額の2分の1を超える不同意があると、再生計画案が可決されません。

また、借入先が少なく、一社の残高が大きい場合は、その債権者の意向が結果に影響しやすくなります。

給与所得者等再生では同じ決議はありませんが、可処分所得要件などにより返済額が高くなる場合もあります。

どちらの手続きが適しているかは、借入先の数、債権額、収入の安定性、家族構成などを合わせて判断します。

相談時に準備したい資料

すべてそろっていなくても相談できます。まずは次のものを、分かる範囲で準備してください。

  • 借入先、残高、毎月の返済額の一覧
  • 督促状、利用明細、信用情報
  • 給与明細、源泉徴収票、課税証明書
  • 預金通帳やネット銀行の取引履歴
  • クレジットカードや電子決済の履歴
  • 保険、車、不動産、退職金に関する資料
  • ギャンブルへ使った時期と概算額のメモ
  • 現在の家計収支

よくある質問

ギャンブルの借金でも個人再生なら必ず認められますか?

必ず認められるわけではありません。継続収入、借金額、財産、家計、申立て後の返済可能性、手続きへの誠実な対応などを総合的に確認します。

オンラインカジノや競馬の取引履歴も提出しますか?

通帳やカード明細に入出金があれば、内容の説明や関連資料を求められる場合があります。削除や隠したりせず、司法書士へ履歴を見せて必要な対応を確認してください。

個人再生を始めればギャンブルを続けても大丈夫ですか?

大丈夫とはいえません。再生計画の返済を継続できる家計が必要であり、ギャンブルで赤字が続けば返済可能性に疑問が生じます。早い段階で利用を止め、必要なら専門機関の支援も受けましょう。

ギャンブルのことを家族や会社へ連絡されますか?

司法書士が相談内容を勤務先へ知らせることは通常ありません。ただし、同居家族の家計資料が必要な場合や、給与差押え、勤務先からの借入れがある場合などは、知られる可能性を個別に検討する必要があります。

Q5.自己破産と個人再生のどちらが良いですか?

安定した収入があり、減額後の返済が可能なら個人再生を検討できます。返済原資を確保できない場合は、ギャンブルの事情があっても自己破産と裁量免責を検討すべきことがあります。借金原因だけで決めず、収入と財産を含めて比較してください。

まとめ|借金の原因を隠さず、現実的に返済できる計画を作ることが大切です

ギャンブルや浪費で増えた借金でも、個人再生を検討できる可能性があります。

ただし、個人再生の制度を使えることと、減額後の返済を最後まで続けられることは別です。

新たな借入れを止め、家計を見直し、借金・財産・取引履歴を正直に整理することが出発点になります。

ひとりで抱えず、まずはお話をお聞かせください

何から始めれば良いか分からなくても大丈夫です。

横濱つきあかり法務事務所が、お話を丁寧に伺いながら状況を整理し、ご状況にあった解決方法を一緒に考えます。

「相談するほどのことか分からない」という段階でも構いません。

LINE・お電話・お問い合わせフォームから、どうぞお気軽にご相談ください。

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🖋この記事の監修者
司法書士・行政書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
借金問題(債務整理)・相続手続きなどを中心に対応しています。

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