保証人付きの借金を任意整理するとどうなる?連帯保証人への請求と対象から外す方法を司法書士が解説
「自分の返済は苦しいが、保証人になってくれた家族には迷惑をかけたくない」
「保証人付きの借金だけ今までどおり払い、他のカードを任意整理できないだろうか」
このような理由で相談をためらう方は少なくありません。
結論からいうと、保証人付きの借金を任意整理の対象にすると、債権者が保証人・連帯保証人へ請求する可能性があります。
任意整理は、手続きの対象とする債権者を選べるのが一般的です。そのため、保証人付きの借金を対象から外し、契約どおり返済を続けながら、他の借金だけを任意整理できる場合があります。
ただし、保証人付きの借金だけを払い続けると家計が改善しない場合や、同じ金融機関の口座・カード・住宅ローンが関係する場合は慎重な確認が必要です。
保証契約の種類と毎月の返済可能額を確認してから方針を決めましょう。
この記事でわかること
- 任意整理をすると保証人へ請求される理由
- 保証人と連帯保証人の違い
- 保証人付きの借金を任意整理から外せる場合
- 保証人への影響を抑えるために確認すること
- 任意整理以外の手続きを検討する目安

保証人付きの借金を任意整理すると保証人へ請求される可能性があります
保証人の責任は本人との別の契約に基づく
保証人は、借りた本人が約束どおり返済しない場合に、本人に代わって支払う責任を負います。
本人が任意整理を依頼すると、司法書士などが債権者へ受任通知を送り、本人からの返済をいったん止めて将来利息のカットや分割回数の和解交渉を進めるのが一般的です。
しかし、本人への請求や返済が止まっても、保証契約まで消えるわけではありません。債権者は契約に基づき、保証人へ残額の支払いを求める可能性があります。
そのため、保証人に対して事前に任意整理をすることを連絡せずに手続きを始めると、突然の請求で保証人との関係が悪化するおそれがあります。自分の借金に保証人が付いているか分からない場合は、借入時の契約書や会員規約、債権者から届いた書類などを確認しましょう。
連帯保証人はすぐに請求を受ける可能性がある
通常、「保証人」には原則として「まず本人へ請求してください」と求める催告の抗弁権などがあります。
一方、「連帯保証人」にはこれらの権利がありません。本人が返済しない時は、債権者から直ちに全額の支払いを求められる可能性があります。
一般的には「保証人」と呼ばれていても、契約書上は連帯保証人になっていることが多いため、「連帯保証人ではないから大丈夫」と名称だけで判断をしないようにしてください。
関連記事:家族の借金を支払う義務があるケース
保証人付きの借金だけ任意整理の対象から外せる?
任意整理は手続きの対象とする債権者を選べるのが一般的
任意整理は、裁判所を利用せず、債権者ごとに返済条件を話し合う手続です。
すべての借入先を一律に対象とする必要はなく、保証人付きのローンを対象から外し、他のカードローンやクレジットカードだけを整理できる場合があります。
例えば、親が連帯保証人になっている自動車ローンはそのまま継続して返済し、保証人のいない消費者金融3社を任意整理する方法です。
ただし、対象外の返済を続けながら生活費を確保し、任意整理による返済もできることが前提です。
対象から外しても家計が回るかを試算する
保証人付きの借金を除外した結果、毎月の支払いがあまり減らなければ、任意整理をしても再び滞納するおそれがあります。
手取り収入から、家賃、住宅ローン、税金、社会保険料、生活費、保証人付き債務の返済額を差し引き、残りで和解後の返済を続けられるか確認します。
ボーナスを前提にしなければ払えない、毎月の赤字を別のカードで補っているという場合は、対象債権者の選び方を見直す必要があります。
関連記事:任意整理後の毎月の返済額を計算する方法
同じ金融機関との取引がある場合は注意する
保証人付きのローンと、普通預金口座、カードローン、クレジットカードが同じ金融グループにある場合、契約関係が複雑になることがあります。
受任通知による口座凍結や相殺、カード停止などが関係する可能性があるため、給与振込口座や公共料金の引落口座も確認します。
「この契約だけは対象外にしたい」と希望しても、債権者側の契約処理まで自由に指定できるとは限りません。借入先、保証会社、給与口座の銀行名などを相談する司法書士へ伝えてください。
例:A銀行に保証人付きの自動車ローン、カードローンがあり、給与の振込先としてもA銀行の口座を使用している場合、債権者(借入先)が全てA銀行のため、カードローンだけを任意整理したいと希望してもA銀行側が全てのローンを対象とする必要がある判断されますと、保証人付きの自動車ローンのみを除外できなかったり、給与振込先口座が数ケ月凍結する可能性が有ります。
保証人への影響を抑えるために相談前に確認すること
借入契約書と残高を確認する
まず、どの債務(借金)に誰が保証人として付いているかを確認します。
- 借入先と契約番号
- 現在の残高と毎月の返済額
- 保証人・連帯保証人の氏名
- 担保の有無
- 保証会社の名称
- 滞納の有無と督促状
- 給与振込口座や引落口座との関係
奨学金、事業資金、マイカーローン、賃貸住宅の未払賃料などは保証人が付いていることがあります。
保証人が家族だと思っていても、実際には保証会社だけという場合もあります。契約書がなければ、債権者へ契約内容を確認してください。
保証人へ伝える時期と内容を考える
保証人へ請求がいく可能性が有る場合は、受任通知を発送する前に保証人へ説明できるかを検討します。
伝える内容は、借入残高、今後の手続き、債権者から連絡が来る可能性、請求された場合に保証人が返済できない場合は保証人自身も専門家へ相談できることです。
保証人へ返済を頼むために新たな約束を急がない
保証人へ「いったん代わりに払ってほしい」、「後で必ず返す」と安易な約束をすると、新たなトラブルにつながることがあります。
保証人が債権者へ支払うと、原則として本人に対する求償権を持つことがあります。その場合、本人の債務整理手続きにその求償権が関係する可能性もあるため、保証人が支払う前にお互いに相談することが大切です。
任意整理だけでは難しい場合の選択肢
個人再生では保証人への請求を止められない
個人再生は、裁判所を利用して借金の一部を原則3年から5年で返済する手続です。
本人の借金が減額されても、保証人の責任が同じように減るとは限りません。保証人付きの債務も再生手続の対象となり、債権者が保証人へ請求する可能性があります。
また、個人再生では原則としてすべての債権者を手続きに含める必要があるため、保証人付きの借金だけを手続きから外すことはできません。
住宅ローン特則を利用できる住宅ローンは別の扱いがありますが、条件の確認が必要です。
自己破産でも保証人の責任は残る
本人が自己破産で免責を受けても、保証人の支払義務まで当然に免除されるわけではありません。
保証人に一括請求が届く可能性があるため、保証人の収入や資産、分割交渉の可能性も含めて準備します。
本人の返済能力だけでなく、保証人への影響も比較し、任意整理・個人再生・自己破産のどれが現実的か判断しましょう。
関連記事:任意整理・個人再生・自己破産の判断表
保証人付きの借金を司法書士へ相談するメリット
横濱つきあかり法務事務所では、借入先ごとの残高、保証人の有無、収入と家計を確認し、どの債権(借り入れ)を任意整理の対象にするかを整理します。
保証人付きの借り入れを任意整理から外してもその他の借金を完済できるか、個人再生・自己破産を比較すべきかも検討します。
まだ延滞していない段階でも相談できます。保証人へ請求が届く前に、借入先と返済額を整理することが重要です。
任意整理|分割払いを希望する方へ
よくある質問
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任意整理をすると必ず保証人へ請求されますか?
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必ずとは限りませんが、債権者が保証契約に基づいて請求する可能性は高いです。請求の時期や方法は契約と債権者の対応によるため、事前に確認が必要です。
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保証人付きの借金だけ任意整理から外せますか?
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任意整理では、手続きの対象とする債権者を選べます。ただし、その借金を払い続けても家計が成り立つか、同じ金融機関の別契約に影響しないかを確認します。
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連帯保証人と普通の保証人は何が違いますか?
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連帯保証人には、原則として「まず本人へ請求してほしい」と求める権利などがありません。そのため、本人が返済しない場合、債権者から直ちに全額を請求される可能性があります。
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本人が自己破産すれば保証人も払わなくてよくなりますか?
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いいえ。本人が免責を受けても、保証人の責任は原則として残ります。保証人も返済が難しい場合は、保証人自身が債務整理を検討することがあります。
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保証会社が付いている場合、家族には影響しませんか?
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家族が個人保証をしていなければ、家族というだけで支払義務を負うわけではありません。ただし、保証会社が代位弁済した後は、本人が保証会社から請求を受けます。契約内容を確認してください。
まとめ|保証人付きの借金を手続きから除外するかを判断する場合は、返済可能額を確認する
保証人付きの借金を任意整理の対象にすると、債権者から保証人・連帯保証人へ請求される可能性があります。
任意整理では、その債務を対象から外して返済を続けられる場合があります。ただし、対象外の返済と任意整理後の返済を両立できなければ、家計の立て直しに繋がりません。
契約書、残高、保証人の種類、同じ金融機関との取引を確認し、保証人への請求が始まる前に方針を決めましょう。
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🖋この記事の監修者
司法書士・行政書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
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