自己破産の免責審尋では何を聞かれる?当日の流れ・服装・欠席時の注意点を司法書士が解説

自己破産の申立て後、通常は裁判所から「免責審尋期日」の通知が届きます。

結論からいうと、免責審尋は、裁判官が申立人本人から自己破産をするに至った事情を確認し、借金の支払義務を免除する「免責」を認めるか審理する手続きです。

試験や取り調べのように、難しい法律知識を答える場ではありません。申立書に記載した借金の経緯、財産、現在の生活状況などを、事実に沿って落ち着いて説明することが大切です。

裁判所や事件の内容によって、期日の有無、進め方、質問内容は異なります。通知を受け取ったら自己判断で欠席せず、依頼している専門家へすぐに連絡してください。

この記事でわかること

  • 自己破産の免責審尋とは何か
  • 裁判官から聞かれることの例
  • 当日の服装・持ち物・答え方
  • 免責審尋を欠席するときの注意点
  • 免責許可決定と確定までの流れ
横濱つきあかり法務事務所

自己破産の免責審尋とは

破産手続と免責手続は別の目的を持つ

自己破産には、大きく分けて「破産手続」と「免責手続」があります。

破産手続は、財産や債権を調査し、必要に応じて換価・配当する手続です。

一方、免責手続は、破産手続で支払い切れなかった借金について、法律上の支払責任を免除するかを判断する手続です。

破産手続開始決定が出ただけで、すべての支払義務が当然になくなるわけではありません。個人の方が生活を立て直すには、原則として免責許可決定を受け、その決定が確定する必要があります。

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免責審尋で裁判所が確認すること

裁判所の案内では、免責の申立てがあると、裁判所は破産者本人から事情を聴き、債権者からの意見も踏まえて、免責を認めるべきか審理するとされています。

主に確認されるのは、申立書の内容に間違いがないか、財産や債権者を隠していないか、借金の原因を理解しているか、生活を立て直す準備ができているかといった点です。

すべての事件で長時間の質問が行われるわけではありません。短時間で確認が終わる場合もあれば、借金の原因や財産処分について追加の説明を求められる場合もあります。

免責審尋では何を聞かれる?主な質問例

1.申立書の内容に間違いがないか

氏名や住所だけでなく、債権者一覧、財産目録、収入、家計、借金の理由などについて確認されることがあります。

申立て後に新しい債権者や財産が見つかった場合は、期日まで黙って待つのではなく、すぐに依頼先へ伝えてください。

2.借金が増えた理由

生活費不足、収入減少、病気、事業、住宅費、教育費、ギャンブル、買い物など、借金の経緯を聞かれることがあります。

話しにくい事情があっても、事実と異なる説明をすると、申立書との矛盾が生じます。責められないように話を作るのではなく、経緯と現在の改善状況を正直に説明することが重要です。

3.特定の人だけへ返済していないか

家族、友人、勤務先など、一部の債権者だけを優先して返済した事情がないか確認される場合があります。

自己破産では債権者を公平に扱うことが原則です。返済してしまった事実がある場合も、隠さず、いつ、誰に、いくら、なぜ支払ったかを整理します。

4.財産を処分・移動していないか

車や保険、不動産を売却した、預金を家族口座へ移した、現金を引き出したといった取引について質問されることがあります。

正当な生活費に使った場合でも、金額や時期によっては領収書や使途の説明が必要です。

5.現在の収入と生活状況

現在の勤務先、収入、家族構成、毎月の収支、今後の生活の見通しを確認されることがあります。

家計が赤字のままでは、免責後に再び借入れが必要になるおそれがあります。固定費を見直したことや、借入れに頼らない家計へ改善した内容を説明できるようにします。

免責審尋当日の流れ

裁判所から届いた通知を確認する

通知には、裁判所名、日時、場所、事件番号、持ち物などが記載されています。

管財事件では、債権者集会が免責審尋を兼ねる運用もあります。集合場所や開始時刻を勘違いしないよう、前日までに確認しましょう。

裁判所ごとに運用が異なるため、ネットで目にした他の人の体験談だけで判断しないことが大切です。

時間に余裕を持って到着する

庁舎入口で手荷物検査が行われる場合があります。法廷や待合場所を探す時間も考え、余裕を持って到着してください。

遅刻しそうな場合は、黙って欠席せず、通知書に記載された連絡先や依頼先へ連絡します。

裁判官の質問へ簡潔に答える

質問された内容をよく聞き、分かる範囲で事実を答えます。

分からないことを推測で答える必要はありません。「正確な日付は覚えていません」、「資料を確認しないと分かりません」と伝え、必要であれば後で確認します。

長い事情を一度に話すより、質問へ簡潔に答え、追加で聞かれた点を説明する方が伝わりやすくなります。

服装・持ち物・事前準備

服装は清潔で落ち着いたものでよい

必ずスーツを着なければならないわけではありません。派手すぎず、裁判所へ出向く場にふさわしい清潔な服装を心がければよいでしょう。

仕事着しか用意できない場合なども、それだけで免責の結論が決まるわけではありません。

持ち物を前日までに確認する

一般的には、次のものを準備します。

  • 裁判所から届いた期日通知書
  • 本人確認書類
  • 印鑑(指示がある場合)
  • 事件番号を確認できる書類
  • 裁判所や依頼先から指定された資料
  • メモと筆記用具

実際の持ち物は通知書と依頼先の案内を優先してください。

申立書を読み返しておく

借金の経緯、債権者、財産、直近の取引、家計を読み返します。

文章を丸暗記する必要はありません。自分の申立内容を理解し、事実を自分の言葉で説明できることが大切です。

免責審尋を欠席したらどうなる?

指定された免責審尋期日は、自己判断で欠席してはいけません。

正当な理由なく出頭しない場合、手続が進まない、追加の説明を求められる、免責の判断に不利益が生じる可能性があります。

病気、事故、交通機関の停止など、やむを得ない事情がある場合は、分かった時点で直ちに裁判所と依頼先へ連絡してください。診断書や事情を説明する書面が必要になる場合があります。

期日変更や別の方法が認められるかは、申立先裁判所が個別に判断します。本人の都合だけで自由に変更できるとは限りません。

免責審尋の後はどうなる?

裁判所は、本人の説明、申立書、破産管財人の意見、債権者の意見などを踏まえて、免責を許可するか判断します。

免責許可決定が出ても、すぐに確定するわけではありません。決定が確定するまでの間は、裁判所や依頼している司法書士からの連絡を確認してください。

また、税金、養育費、悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償など、法律上、免責されない債権があります。免責許可を受ければどの支払いもすべて消えるとは限りません。

免責後に債権者から請求が届いた場合は、債権者一覧に記載した債権か、非免責債権に当たるかなどの確認が必要です。

司法書士へ相談するメリット

司法書士へ自己破産の書類作成を依頼すると、借金の経緯、財産、家計、債権者を整理し、裁判所へ提出する書類の作成支援を受けられます。

免責審尋が指定された場合も、通知書の見方、申立書の確認、追加資料の準備などを事前に整理できます。

よくある質問

免責審尋では必ず厳しく質問されますか?

必ず長時間、厳しく追及されるとは限りません。問題点が少ない事件では確認が短時間で終わることもあります。質問内容や時間は事件と裁判所の運用によって異なります。

借金の理由がギャンブルでも正直に話すべきですか?

はい。事実と違う説明や隠し事は、かえって免責判断に影響する可能性があります。利用時期、金額、現在やめているか、家計をどう改善したかを整理して説明します。

家族も免責審尋へ行く必要がありますか?

通常は申立人本人が対象ですが、事件や裁判所の指示によって異なります。通知書の記載を確認し、不明な場合は依頼先または裁判所へ確認してください。

裁判官の質問に答えられなかったら免責されませんか?

一つの質問へ即答できないだけで、直ちに免責不許可になるとは限りません。分からないことは分からないと伝え、資料確認が必要ならその旨を説明してください。

免責審尋がない場合もありますか?

裁判所の運用や事件の内容によっては、本人が出席する免責審尋が行われないこともあります。期日の有無は裁判所からの通知と依頼先の案内で確認してください。

まとめ

自己破産の免責審尋は、裁判官が本人から事情を確認し、借金の支払責任を免除するか審理する手続です。

難しい法律知識を暗記する必要はありません。申立書を読み返し、借金の経緯、財産、家計、生活改善について、事実に沿って説明できるよう準備しましょう。

裁判所の運用は地域や事件によって異なります。通知が届いたら放置せず、日時・場所・持ち物を確認し、疑問点は早めに相談してください。

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🖋この記事の監修者
司法書士・行政書士 小林信之介
横濱つきあかり法務事務所
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